A RETURN TO THE ISLE OF MENにすっかり惚れ込んでしまい、それ以降の作品に興味津々でしたが、コレは初期のスタイルとは打って変わって、モダンでスタイリッシュな雰囲気が漂います。 ダークな路線は変わらずだが、クリーンに歌う男声、女声のヘヴンリーヴォイスがかなり質が高い。歌というよりも表現という感覚に近い。声量ある緩急豊かな歌いまわしに惚れる。 また、低音をあえて抑えた尖ったギターがかなりイケている。ゆっくりとフェイドインするようなアタックの弱いギター、ディレイで深みを増したアコギ、フィードバックするノイズを駆使したリフなど、かなりの工夫が凝らされている。 音圧で攻めるのではなく、むしろ少なめの音(ギターも単音が多い)で曲構成が成されているところは面白いです。以前のブラックメタルのような質感は薄れ、アヴァンギャルドな独自の音世界に変貌してます。 曲によっては鳥肌モノのドラマチックさが宿っていますね。凄い!!!
99年発表の3rd。 元々アンビエント志向(っていうか大作志向)があったバンドだが、進化の方向性はULVERやTHE 3RD AND THE MORTALと同じで、SEが大幅に導入、形式より雰囲気が重視されており、さしずめアンビエント・ダーク・メタルと言える内容。10分台の曲はなくなり、5分台が基本となって聴き易くなっている。 ボーカル表現も増え、不協和音の使用なども面白い。が、相変わらず男声の魅力は薄いし、相変わらずメロディの印象が弱い。あと個人的意見として、Ann-Mari Edvardsen時代のTHE 3RD AND THE MORTALに似てる部分があるな、と。 アンビエント・メタルを薦めるとして、メタルっぽさをあまり好まない私はTHE 3RD AND THE MORTALを推すが、メタルを好む人からすればこっちの方が気に入るかもしれない。