彼等の4thフルレンスアルバム(一番最初にリリースしたMANTICORE名義のMiniCDを入れると通算5枚目)。彼らがこれまで培ってきたものを、順調に育て上げ、完成度を高めてきたアルバムだと思います。 従来から持ってきたパワー感をそのままに、アルバム全体のメリハリをしっかり考えて、ただ突っ走るだけではなく、じっくり聞かせる所、場面を展開するところ、サビでメロディーを一気に耳に溶け込ませるところ、今まで彼等のアルバムでもうひとつ訴えかける力にやや弱さを感じていた部分は、大幅にインパクトを増していると思います。 歌詞のストーリーは、聴き手の考えを縛るのではなく、聴き手自身に置き換えてイメージをいろいろ膨らませることが出来る自由度があるように思います。それゆえ、リリカルな歌詞とシリアスな曲調がよく合っているのでは。 ハイライトは何と言ってもHelp Me Like No One Canです。が、疾走曲Playing God、ドラマティクなKing Of The Absurd、It Feels Like The End、まだメロディーの弱さが惜しいながらも、全編気合の入った曲が楽しめます。よくここまで頑張ったなあと思いながらも、今後の成長もまだまだとても楽しみでは有ります。
いいものが出来てきましたね。パワーも充分に備わって体の芯に押し寄せてくれています。ドラムの力強さがとにかくいい。そして唸るギター、流麗なキーボード。確実な刻みを下地に流れるメロディ。全体としての緩急がうまくついてスラッシーでソリッドな音が頭に突き刺さっても来て興奮度を上げてきます。 サビがとてもよくなっていますよね。アッピール度増してます。Help Me Like No One Canはまさに全体を締め括る大きな役目を果たしています。メロディの裏で動くギターリフの格好いいこと。 歌詞について、KUZU氏がおっしゃってるところ、まさに自分も言いたかったところです。イメージを膨らませていける自由度、そうですね。人間観を自分は考えました。曲を聴きながら歌詞を追うことはしていませんが、読み物として通して歌詞を読んだとき、事前に聴いてきた曲達とのイメージングが深まり尚、心に染みたわけです。 深みある情感、ずっしりとした重さ、独特の平板アクセント的刻み…彼らのよさの更なるパワーアップを今後も楽しみにしています。