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ウィルド・ラッドの調べ~SACRED DOORS ANOTHER TALE~ (2008年)
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ウィルド・ラッドの調べ~SACRED DOORS ANOTHER TALE~
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解説 - ウィルド・ラッドの調べ~SACRED DOORS ANOTHER TALE~
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1. Usher-to-the-ETHER ★★ (2008-09-01 17:57:00)

2008年発表の6曲入りミニアルバム。
ファンタジックな世界観をトラッド的なメロディや楽器で表現する歌もの、という路線は
いつも通りですが、今回は生楽器を使う事に拘ったらしく、例えばパーカッションの音色
一つを取ってもかなり気を使ってる感じで、音が今まで以上にリアルになってますね。
…ファンタジーって体験出来ないからこそファンタジーだと思うんですが、彼女の音楽って
その世界観をリスナーに疑似体験させてしまうほどに作りこまれてると思います。
その美点が、こうしたアレンジによって更に浮き彫りになったのではないでしょうか。
もうこうなると、「トラッドとポップスを融合させた」という次元ではなくて、「架空の
世界に伝わる民族音楽」を実際に演奏している…と言った方が近いかもしれません。
ただ、少し苦言を呈させてもらうならば…初期作の「ユラグソラ」って、「優しい歌声」と
「メロディの良さ」においてズバ抜けた作品だったと思うんですが、今作では出来る事が多く、
表現できるスケールが大きくなった分、音全体で世界観を表現する傾向が強まり、あの頃より
歌メロの美しさが少し減退しているという印象も。去年の「ティンダーリアの種」は
その辺のバランスが良かったので、聴き比べると少し物足りなさがあるのは否めない…かも。
とは言っても、聴き手を大きな包容力で受け入れ、心を癒してくれるような、優しい歌声は
私の知る女性ヴォーカリストの中でも右に出る者はいないと思うくらい魅力的だし、
歌のメロディも彼女の今までの作品に比べると少し弱い気がするというだけで、良くない
という訳では決してありません。何より、こんなに確立した自分の世界観を持っていて、
尚且つそれを音で表現できるアーティストってメジャーどころか、海外を探してもそれほど
いるものではないと思います。ちょっと値段が高い気もしますが、充分お勧め出来る作品。



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