METAL BLADEのコンピ盤『METAL MASSACRE Ⅳ』に“SWING OF THE AXE”を提供してHR/HMシーンに打って出たサンフランシスコの5人組スラッシャー。このデビュー作発表当時(’85年)、メンバーがまだ高校生の若さだったことでも注目を集めました。 映画『エクソシスト』のテーマ曲“TUBULAR BELLS”の美しく静謐な余韻を、初期SLAYERを一層サタニック且つアングラ化させたような“PENTAGRAM”が暴力的に引き裂いて本編はスタート。その大半をスピード・ナンバーが占める割に、スラッシュ・メタル特有のスカッと走り抜ける爽快感は薄めで、それよりも強く印象に刻まれるのは、べたーっと張り付いてくるようなジメジメとした不快感。Voにしろ楽器陣にしろ、めいめいが好き勝手自己主張しまくって崩壊寸前のまま(でもギリギリ踏み止まっている)、ぐしゃっと押し寄せる土砂崩れサウンドが一種異様な迫力を生み出していて、ハマるとクセになるという。 篭り気味の劣悪なプロダクション、喉を潰した吐き捨てグロウルVo、低音域で蠢くGリフ、キレの悪さがズルズルとした粘着感を生じさせているリズム、その上でジョー・サトリアーニ門下生のGチームが流麗に舞わせるテクニカルなツイン・リード、そして何より本編ラストを禍々しく突進する楽曲のタイトルがそのまんま“DEATH METAL”だったりと、諸所の要素が奇跡的に融合することで、「元祖デス・メタル・アルバム」と評されることとなった本作から立ち昇る、狙っては作れない天然モノのオーラが愛しい。 逆さ十字架の掲げられたアートワーク、裏ジャケで厄いオーラを放つメンバーの武装っぷりといった出で立ちの過激さに、内容面でも一歩を引けを取らない1枚ではないかと。