1990年作、何枚目だろう?わからない。 FEAR OF TOMORROWと比べると、かなりの変貌ぶりである。(どちらも違った「味」があり好きだ) 様式美HM色が濃くなっていて、結構スラッシーである。リズム隊も、ギターも技術が向上しているし、Voもハイトーンで、メロディーを歌い上げる! 日本版には、かれらの超名曲とされる KHOMANIAC が当時の宗教的事件を背景に、カットされているので、輸入盤を購入すべし(最近再発されている)。
デンマーク出身の5人編成のバンドによる'89年発表の3rd。 プロデューサーはMETALLICAを手掛けたフレミング・ラズムッセン。 METALLICAにも似た理路整然としたリフ・ワーク、目まぐるしい曲展開、マイケルとモルテンのスタッツァー兄弟によるツイン・ギターが奏でる中近東風のメロディ、フレミング・ロンズドルフのパワフルなヴォーカルがこのバンドの大きな特徴であり、そのサウンドはインテレクチュアル・スラッシュやパワー・メタルと呼ぶに相応しい。 中近東風メロディを奏でるオープニング・インスト「7:00 FROM TASHKENT」、フレミングがパワフルかつ伸びやかなヴォーカルを聴かせる「BENEATH THE CLAY (R.I.P)」、緻密かつ複雑なリフを持つタイトル曲「BY INHERITANCE」、イントロとアウトロのツイン・ギターのメロディが素晴らしい「BOMB FOOD」、静と動とがドラマティックに展開する「DON'T BELIEVE」、アルバムにおいて最もアグレッションに満ちた「LIFE IN BONDAGE」、独特なリフとメロディを持つ「EQUAL AT FIRST」、NAZARETHの名曲の秀逸なカヴァー「RAZAMANAZ」、次々とリフが繰り出される「BACK IN THE TRASH」と、テクニカルな演奏裏打ちされた楽曲はいずれもなかなかのものである。 歌詞の問題から日本盤からは削除されてしまったが、劇的なオープニングとダイナミックな曲展開を誇る「KHOMANIAC」は一聴の価値あり。
アーティレリと言えばこれと押すファンも多いでしょうね。クランチーなリフワークは勿論ですが、刻まれるツインギターの繊細で表情豊かなギターワークを中心とした構成力の高さは見事、彼らお得意の中近東風のフレーズも盛り込みアイデア豊富な展開が実に痛快で魅力的だ。なんとも言い難い妖しげなメロディと喜怒哀楽を込めたドラマ性、不穏なムード漂う攻撃性、予測しがたいプログレッシブな展開、それでいながらも無慈悲さよりも温もりのサウンドメイクが最大の聴きどころかでしょう。それもこれもフレミングの圧倒的な歌唱力に起因しているのかも知れませんね。バンドはこの後、一旦解散、1999年にハードコア色の強い「B.A.C.K.」で復活も上手くいかず解散、そして風通しの良い作風で新たなる可能性を示唆した『When Death Comes』で再復活となるのですが、メロディの質、楽曲、オリジナルティ共に今作を彼らの代表曲に挙げるファンは多いでしょうね。