1978年9月リリースの、JOHN LAWTON期URIAH HEEP第3作。サウンド・スタイルは前2作の流れを踏襲しているが、全体的にはハードさが戻っている。WOMAN OF THE NIGHTやI'M ALIVE等、スピード感のあるハードなナンバーでのLAWTONのヴォーカルは素晴らしく、ONE MORE NIGHTやSAVE IT等でのBOLDERのベースもテクニカルだ。またCOME BACK TO MEは、この時期のHEEPの最もメロディアスな名曲と言えるだろう。作曲・演奏ともに充実した出来である。しかしこのラインナップでの作品は、本作が最後となり、JOHN LANTONとLEE KERSLAKEの二人は、翌'79年、未だリリースされていない幻のFIVE MILES SESSIONでのレコーディングを残して、グループを去っていく。パンクムーブメントに押されることもなく、王道を歩んだ彼らにとって、へヴィーメタル&ハードロックが再び台頭する80年代を目前にして、素晴らしいシンガーが抜けてしまった事は非常に残念だ。
ジョン・ロートン時代最後のアルバム。 作風としては前作とほぼ同路線。楽曲の質も前作に引けを取らないと思います。 Put Your Lovin'On Me、Come Back To Me、Fallen Angelはメロディアスな佳曲であり、 Falling In Love、One More Nightなどのポップナンバー、ハ-ドなI'm Aliveもかなり良い出来。
Woman of the Nightがあまりに素晴らしい。Falling in Loveも職人技を感じさせる何度聞いても飽きないポップな名曲。次にまたポップなOne More Nightを持ってきたのはちょっと失敗な気がする。I'm Alive やCome Back to MeはLawtonのHRシンガーとしての実力がよく伝わる。ジャケットのようにもう少しストロングな内容であれば言うことなしの名作であったが、もう一歩といったところ。
冒頭2曲のアップ・テンポでキャッチーな "Woman Of The Night" ~ "Falling In Love" が良くて、そのまま良い流れが続くのでアルバム全体の印象も大幅アップ、加えてアートワークも素晴らしく文句無しに名盤であると言えるでしょう。 POPな曲でもメロディーの完成度は抜群で、従来のHEEPらしさや英国的な雰囲気は希薄なのにもかかわらず、自分でも意外なほど気に入った作品です。ジョン・ロートン時代では一番好きかも知れません。