Y&Tになってから5枚目のアルバム。この作品からおかしくなっていったが、個人的には気に入っている1枚。前作からアメリカン志向が出始めたが、(まあ元々アメリカのバンドだけど...)このアルバムも然り。"All American Boy"、カヴァー曲"Your Mama Don't Dance"、再収録の"Summertime Girls"などが挙げられるが、泣きのギターが堪能出来る"Face Like An Angel"(この曲、来日した際、"夜ヒット"で演奏したよなあ)、ドラマティックな"Hands Of Time"、ヘヴィでスピーディーな"Anything For Money"、力強いオープニングの"In The Name Of Rock"と聴き所も多い。ジャケットはY&T史上最高のダサさだが、内容は悪くない。この作品を最後にレオナードがクビになり、そしてジョーイもクビになって、ルックス重視のLAメタルバンドへ変貌していく。ったく、バカげた事したもんだ。
個人的には、彼らのアルバムの中で一番好き。このアルバムこそ彼らの集大成なのでは。オールナイトフジのオープニングだったAll American Boy(誰かのカバーだっけ?)、前作Don't Stop Runnin'ふうのAnytime At All, 前作Rock'n'roll's gonna save the worldふうのIn The Name Of Rock, 前作This TimeふうのHands Of Time, 前々作Midnight In TokyoふうのFace Like An Angelなど、それまでのアルバムとそんなに路線は変わってなく、曲がパワーアップしていると思う。ポップさという意味ではMean Streakのほうがポップでは。Your Mama Don't DanceもPoisonのバージョンよりはるかにかっこいい。パワフルなAnything For MoneyやDon't Tell Me What To Wearも良い。うーん、CD欲しい。そういえば、あのケヴィン・ダブロウですらY&Tは絶賛していたような記憶が。
Y&T最大のヒットシングル 6を再収録。キーボードが導入され、Y&Tらしい曲が影を潜める問題作。 急いで作ったのか楽曲の質がいまいちです。ソフトなナンバーとのバランスをとったのか、かなりヘビーメタルな曲も入っており、チグハグ感は否めない。最近発売されたUK限定版には、ボ ーナストラックとしてライヴ2曲が入っているのが嬉しい。 以下、個人的評価です。 1.In the Name of Rock ★★☆☆☆ ミディアムテンポのパワーナンバー。かなりヘビーメタルしている。 2.All American Boy ★★★☆☆ 外部ライター作のポップなナンバー。オールナイトフジのオープニングテーマに使用。プロモで演技している 姿は悲しいし、全く"らしく"ない曲だが割と好き。 3.Anytime At All ★☆☆☆☆ JourneyのForever Youngみたいな曲。勘弁してほしい。 4.Anything For Money ★★☆☆☆ ファストナンバー。The Kid Goes Crazy等何故この手の捨て曲を作ってしまうのだろう。 5.Face Like An Angel ★★☆☆☆ I'll Keep On Belivin'(Do You Know)を焼き直したような曲。 6.Summertime Girls ★★★☆☆ このアルバムの中で一番出来が良いのが悲しいところ。 7.Looks Like Trouble ★★☆☆☆ ギターのオブリガードがブルージーで良い。でも捨て曲。 8.Your Mama Don't Dance ★☆☆☆☆ 御馴染みのカバー曲。Y&Tにやってもらわなくても良い。 9.Don't tell Me What To Wear ★★★☆☆ ちょっとHurricane風のファストナンバー。1.と同じでヘビーメタルしすぎているが、なかなかパ ワフルでかっこいい。 10.Hands Of Time ★☆☆☆☆ キラキラしすぎで、うざく感じるパワーバラード。 11.Mean Streak -Live ★★★★★ MTVでのライヴ。最高! 12.I Bellieve In You -Live ★★★★★ やっぱり名曲。
Face Like An Angelを口パクで演奏するY&Tを「夜のヒットスタジオ」で観た。 これがY&Tを知るきっかけになり、そのときの来日公演を見逃したことを スゴク後悔した思い出がある。後追いだっただけに、当時、この作品に対する 違和感は、その前からのファンに比べれば大きくはなかった。 1.2.3などは広く世間に訴える力を持った曲だと思ったし。当時はよく聴いていた。 しかし、現在はあまり聴くことがない。Summertime Girlsは昨年と10年前の来日でも 演奏していたし、DVDにも収録されているけど、本人達は気にっているのだろうか?
1985年発表。YESTERDAY & TODAY から通算すると10年目、7枚目のアルバム。前作から現れ始めたLAメタルの影響=ポップ指向が最高に出た作品、それだけに楽曲はバラエティ豊かなこと。それゆえに個人的にも一番お気に入りの1枚である。All American Boy などはガッツポーズものの強力ナンバーだし、一方でラストの Hands of Time のように昔ながらのファンがY&Tに求める泣きのナンバーもしっかり健在だから、曲作りは決して悪くないと思う。しかし、この作品が10年来のオリジナルメンバー最後のスタジオアルバムとなってしまうと思うと、レオナードのジョン・ボーナムばりにパワフルなドラミングも一層貴重なものに聞こえてくる…惜しいことをしたもんだよな。前作に続いて不釣合いかつ不可解なアートワークについては敢えて言及を避けよう。
前作『IN ROCK WE TRUST』のジャケットの酷さは相当なもんでしたが、'85年発表のこの5thアルバムのジャケットも脱力さ加減じゃ負けてませんよ! そこは素直に負けとけよって話ですが。 加えて、我が世の春を絶賛謳歌中のLAメタル勢に感化されたカラフル&ヒラヒラ衣装を身に纏い(ことにレオナード・ヘイズの「着せられてる感」が半端ない)、外部ライターのペンによるポップな②を“オール・アメリカン・ボ~イ♪”と楽しげにパフォームするメンバーのお姿にハラハラと落涙を禁じえなかった初期Y&Tファンも多いことかと存じます。 しかしながら気楽な後追いファンとしては、本作も十分「有り」ですよ。前述の②は――Y&Tがこれを演らんでも・・・との思いを別とすれば――単純に優れた楽曲ですし、また、華やかに躍動する③、濃い口のブルーズ風味とは異なるアッサリめの哀愁漂わす⑤等は、前作で端緒を開いたポップ・メタル路線に更に大胆に踏み込んだ逸品ではないかと。 売れ線を装いつつも、デイヴ・メニケッティの歌と演奏からは相変わらず隠し切れないオーラが立ち上っていて、特にその真価は、Y&Tのお好みテープを制作する際には欠かすことの出来なかったドラマティックな泣きの名曲⑩において遺憾なく発揮されております。 これまでの作品に比べると若干パワーダウンした感は否めませんが、むしろパワーダウンしたにも関わらずこれだけのクオリティを保っている事実が、Y&Tの底知れぬポテンシャルを物語っていると思うわけで。