DOKKEN解散後、ドン・ドッケンが、元EUROPEのジョン・ノーラム(g)、元WATCHTOWERのビリー・ホワイト(g)、元ACCEPTのピーター・バルテス(b)、元KING DIAMONDのミッキー・ディー(ds)と結成した、自らの名を冠とするバンドのデビュー・アルバム。 その音楽性はDOKKENの延長線上にあるものの、若干、地味な印象を受けるかもしれない。 ジョージ・リンチの攻撃的でスリリングなギターが入っていないことに寂しさを感じるリスナーも多かったのではないか。 しかし、失ったものの変わりに得たものがあるのも事実で、ジョン・ノーラムが持ち込んだ哀愁がそれであると個人的に思っている。 例えるなら「UNCHAIN THE NIGHT」や「SO MANY TEARS」などの曲が持っていた雰囲気に近いものがあるかもしれない。 これまでのドンのヴォーカルには線の細さを感じさせるきらいがあったが、本作では曲の持つ哀愁や叙情性にフィットした、実にウェットな歌を聞かせてくれている。 「CRASH'N BURN」は「TOOTH AND NAIL」や「KISS OF DEATH」といったDOKKEN時代の名曲にも引けをとらないかっこよさだし、続く「1000 MILES AWAY」も幻想的なバック・コーラスがとても印象的な好曲。 他にも、イントロがカッコイイ「LIVING A LIE」、ギター・リフが風変わりでややキャッチーな「MIRROR MIRROR」、哀愁を感じさせるクラシカルな「STAY」、爆撃音から導かれるギターのメロディが美しい「DOWN IN FLAMES」、ドラム・ソロから始まるアグレッシヴな「THE HUNGER」などはDOKKEN時代のコンパクトな楽曲を彷彿させる出来栄えだ。 「WHEN LOVE FINDS A FOOL」の作曲クレジットにはグレン・ヒューズの名も。 ただし、ジャケットのチープさはいただけないな。
ドン・ドッケン(Vo)、ジョン・ノーラム(g)、ビリー・ホワイト(g)、ピーター・バルテス(b)、ミッキー・ディー(ds)による、ある意味スーパー・バンドと呼べる編成で'90年に発表されたアルバム。 比較するのもなんだが、ジョージ・リンチのLYNCH MOBよりもDOKKENの香りを残している。 ジョン・ノーラムが持ち込んだと思われる初期EUROPEにも通ずる愁いもこのバンドの個性だ。 正にそのDOKKENとEUROPEを足して2で割ったようなハード・ロック「CRASH'N BURN」は超名曲だし、初期EUROPEを髣髴させる「1000 MILES AWAY」や「LIVING A LIE」の哀愁のメロディもたまらない。キャッチーな「MIRROR MIRROR」、ドンの愁いある歌唱が美しい「STAY」、ギター・メロディが秀逸な「DOWN IN FLAMES」、アグレッシヴでハードな「THE HUNGER」もお勧め。 このアルバム1枚っきりで終わったのはちょっと残念。