当時の、まさに綱渡りの状況であったからこそできたアルバム。MADのドラムは破壊神のよう。ヒロヤのギターは雷。柴田さんのベースは地鳴り。英三のボーカルは若き野獣。そんな感じ。「LIGHT IT UP」「FINGER'S ON THE TRIGGER」は病み付き。勢い、迫力という点では、かの3大アルバムを上回っていると思う。この当時のがけっぷちな状況、そして今、復活して最高のショーを見せてくれている。でも、MAD、ヒロヤは違う道。いや、でも20周年を迎えてのあのライブでの邂逅。そんな、バンドのドラマ性を考えると最高のアルバムかもしれない。
86年発表の2nd。 前作はデビュー作品なだけにまだまだ青臭い雰囲気が漂っていたが、2作目にしてグッと整合感が出て来て、着実な成長が伺える好盤。畳み掛けるような“Victim In Your Eyes"、メロディアスな“Night After Night"、スピーディな“Driving Wire"等結構佳曲が揃っている。 ただ上記にもあるように、前作同様イマイチ音質は良くない。って言うかひとつひとつの楽器の音が聴き取りづらく、まとまってドーン!っと聴こえる感じだ。ちょっとこもり始めたテープのような聴こえ方をするのが残念かな。でもそこら辺は次作で飛躍的に向上するので、あくまでも着実な成長を遂げている過程ということなんでしょうね。結構この作品、気に入ってます♪
1st『ANTHEM』との間にEP『READY TO RIDE』のリリースを挟んで'86年に発表された2ndフル・アルバム。 セルフ・プロデュースの上、殆ど一発録りに近いノリでレコーディングされたという本作は、音の悪さにかけてはANTHEMのアルバムの中でも1、2を争うが、その分ホットで荒々しい勢いが損なわれる事なく封入されており、全編に満ちる攻撃性の高さにおいてもANTHEMのカタログ中トップクラス。 デビュー作だって相当に荒っぽい内容だったが、未熟さゆえ図らずもラフな仕上がりになってしまったあちらに対し、今回は意図的に荒々しさが前面に押し出されているのが大きく異なる点で、例えばキャッチーなアカペラ・パートからスタートする“VICTIM IN YOUR EYES”、スラッシュ・メタルばりの突進力を誇る“DRIVING WIRE”、激烈にラストを締め括る“BLACK EYED TOUGH”といった怒涛の如きスピード・ナンバーの数々にも今回はきっちりとコントロールが効いている。硬派な哀愁背負って疾走する名曲“NIGHT AFTER NIGHT”なんて、一層逞しさと表現力を増したメンバーの成長っぷりがしかと刻まれた(未だライブでも欠か事の出来ない)初期ANTHEMを語る上で忘れてはならない本編のハイライト・ナンバーですね。