1996年10月22日、Colombia Recordsよりリリースされた10thアルバム。
『Frontiers』以来、Ross ValoryとSteve Smithが復帰したが、Steve SmithとSteve Perryにとってはこれが最後のJourneyでの作品となった。
全米3位を記録したこのアルバムは大成功となり、カムバックツアーも組まれて、再結成Journeyの前途は洋々に見えたが、Steve Perryはほどなく健康上の理由からツアーの中断と延期を申し出る。
Perryはオフ中ハワイでハイキングをしていた際に股関節を負傷、これが歩くこともままならないほどに悪化しており、検査の結果彼は退行性骨関節疾患を患っていることが判明。Perryは人工股関節置換手術の必要に迫られたが、なかなかその決断ができず、かといってその体ではツアーを再開してもステージに立つことすらおぼつかないというジレンマのなかで時間だけが浪費されていった。一方Journeyの他のメンバーたちは、カムバックツアーがいよいよ調子に乗り始めていた矢先にバンドの「顔」が引き蘢ってしまうという異常事態に業を煮やしていた。ツアーの度重なる延期を1年半にもわたって訴え続けたPerryに対し、結局他のメンバーたちは、早急に手術を受けて体を直すか、さもなければ代替ボーカルを探すことに同意するか、という最後通牒同然の二者択一を迫った。「俺は今後の人生を左右しかねない重大な健康問題に直面して苦悩しているというのに、他のメンバーたちにとってはそんなことよりもバンドの興行収入を確保することを優先するのか」というPerryの怒りと落胆が、彼にJourneyとの決別を決意させる決定的な理由になった。そして、脱退後は実に7年間の長きにわたって公の場には一切姿を見せず、ほとんど失踪に近い状態にあったことからも、当時の彼の失望と挫折がいかに深い心の傷となったのかが窺える。なおPerryはJourneyを脱退した後になってやっと人工股関節置換手術に臨んだ。手術は成功し、こちらの傷の方は順調に癒え、ほどなく何の障害もなく歩行やジョギングができるまでに回復している。
この脱退劇もあり、結局再結成メンバーによるツアーは行われなかった。その後、再びジャズ・ミュージックに専念したいという理由によってSteve Smithもまたバンドを離れることとなる。
アメリカ国内だけで130万枚(RIAAプラチナ認定済)、世界で200万枚以上のセールスを記録している。
Recorded:Summer 1996, Ocean Way Recording Studios, Hollywood, California/The Site Studio and Wildhorse Studio, Marin County, California
Producer:Kevin Shirley