97年に7年振りにリリースされた本作は、前2作までの自身のメタルバブルがはじけたせいなのか、どちらかと言うとソロ作品に近い作風に仕上がっている。 まるでマイケルボルトンな“Don't Fade Away"でスタートした時は、オーイっとちょっとコケかけたが、全体を通して聴くと、許せるレヴェルの楽曲が並んでいる。前作が駄作だったので、7年かかったとは言え、こっち側に再び舵を取ったのはいい方向性だと評価している。 この中では“Take Me Back Again"がそのタイトル通り原点回帰を一番感じられてお気に入りです。ソウルフルな熱唱がやはりこの人には似合ってますね。
うーん、この作品をどう評価したらいいのか難しいところだ。私は白蛇はサイクス時代が一番好きだけど、バーニー&ミッキー時代も大好きだ。で、この作品だが確かにサイクスやヴァイがいた頃のゴージャスな音じゃない。レトロな感じでサウンドはシンプル。曲もモロにブルージーで渋いものばかり。そういう意味では「初期の頃に戻った」ということも言えるが、落ち着いて聴くとやっぱ違う。昔はブルージーなロックンロールであったが実にクールなリズムを持った曲が多くそれが「FOOL FOR~」とか「DONT BREAK~」とか「READY AN ~」だったりするわけだで、素晴らしい名曲たちだ。しかし、この作品そういうゴージャスとかブルージーだとかいうサウンド云々以前に昔みたいな「わお!!かっけー!」っていう曲がない。それは決して捨て曲ばっかりということじゃなくて、目立たないがじっくり味わえるタイプの曲と言うか、そんな感じの曲のオンパレードである。そういう曲たちの中において肝心のカヴァデールが明らかに全盛期を過ぎてしまっていることもあってあんまり良いパフォーマンスをしてないと思う。ディープな低音は相変わらず素晴らしいがエモーショナルに声を張り上げると「あれ、なんか違うぞ!!?」って思ってしまう。 まあ、駄作であるとは思わないしベテランらしく高品質であることにはかわりはない。 でも、僕はこれだったらまだ「SLIP OF THE TONGUE」の方が数倍楽しめる。
枯れた味のスネイク。渋さの冴え渡るヴァンデンバーグのギターとデビカバの絡みが聴けるという点でとても貴重(二人がバンドで仕事を始めたのは87年にさかのぼるが、アルバムが実現するまで実に10年近い年がかかった)。個人的にはデビカバの巧い歌を聴きたくなった時におすすめ。またRestless heartは隠れた名曲。ホワスネは、Saints and sinners, Surpens Albus, Good to be badそしてこのアルバムがそれぞれの時代の代表だと思う。