'93年発表の3rd。丁度、北欧メタルが再び盛り上がりを見せていた日本でも国内盤がリリースされ、ファンから高い評価を得た作品。 この時期の北欧バンド群は「1作目は良かったのに次作で流行に擦り寄ってコケる」というパターンが非常に多かったのだが、TAROTの作品は 安定して高いクオリティを保持。中でも本作は特に楽曲が粒揃いで、全14曲捨て曲なし。バンドの最高傑作に推す声も多い。(俺の中で) 基本はトニー・マーティン在籍時のBLACK SABBATHを彷彿とさせる(実際、カヴァー曲⑬“CHILDREN OF THE GRAVE"を収録)、 ダークさと潤いの同居するドラマチックな様式美メタル・サウンドながら、どこかヒンヤリとした空気を伝える楽曲は 北欧のバンドならではの味。これは、氷塊のように硬質なリフと、透明感と哀感を演出するKey、 それに「憂いを帯びたロニー・J・ディオ」風のマルコ・ヒエタラのVoに依るところ大。 まぁ兎に角、アルバムのOPチューン①“DO YOU WANNA LIVE FOREVER"や、本編ラストを劇的に締めるバラード⑭“GUARADIAN ANGEL" といった楽曲を聴いてみて欲しい。北欧メタル・ファンのみならず、メロディ重視派の方ならグッと掴まれること請け合いよ?
正統派HM、様式美の名盤だね。オープニングからグイグイと引きずり込まれるような感覚。またミドルテンポの曲②③④も良く作られており、疾走曲①⑧⑪、バラード⑭ともに飽きさせない。 楽曲が良いし、マルコ兄貴の硬派なヴォーカルはとにかくかっこいい。↑の方の言うとおりナイト・ウィッシュでのVoとは少し違う。 マルコ兄貴の兄貴ザシャリー(g)も⑧なんかではテクニカルなGソロが非常に良い。 それと"Children Of The Grave"のカヴァー⑬はぴったりだね。
1993年の3rd。日本デビュー作。 ギターが一人抜け、代わりにキーボードが加入した。 ギターが1本になったことで以前までよりも曲の輪郭が鮮明な印象。 またキーボードは控えめながら曲に冷ややかな彩りを添えており、楽曲が一気に洗練された感がある。 アルバム自体は全14曲で75分強というボリューム。 ちなみにTAROTの他の5枚のスタジオ録音アルバムの収録曲数は全て10曲ずつ(ボーナストラック除く)である。 冒頭の2曲("Do You Wanna Live Forever""The Colour Of Your Blood")をはじめとして、どの曲も良い出来なのだが、 唯一"My Enslaver"だけは終盤の歌メロのあまりの単調さとしつこさに閉口してしまう(マルコのボーカルは大好きなんだけど…)。 それさえなければ捨て曲なしといっていい作品。