私のようなBent out~がタイムリーであった世代にとって、無茶苦茶待望されたジョーとリッチーのコラボレート。「これを買え」とかそういう話では無く、興味欲から買わずにはいられなかったのが正しいところ。 Deep Purpleにジョーが加入したというより、Rainbowの続きをイメージしながらジョンやペイスのDeep Purple印の楽器演奏をバックに従えたBlackmore&Turnerの作品。 「Slave&Masters」とはなんとも自覚的でシニカルなアルバムタイトルである。 少なくとも期待を裏切る出来ではなかったし、Rainbow時代よりプロダクションが良くなっている。King of Dreamsはジョーならではのセンチメンタリズムを大いに引き出せているし、Cut Runs Deepはイントロの美しさが極上でリズムパターンもソリッドだ。Fire in the BasementはコンパクトなLazyみたいでいかにもDPな演奏を堪能出来る。 ただしリッチーのギターソロはオクターバーかましただけとか地味目なのが多いのと、やはり冒頭3曲以外が佳曲のみ並ぶ印象がマイナス点。バラードナンバーはせっかくのジョーなのだからアレンジ段階でもっと劇的に処理しても良かったのでは??私はこのメンバーでの演奏バランスが好きなので、楽曲を練りこんだ上での次・次々作を是非発表して欲しかった。ある程度用意されていたのだが未発表という話も聞く。 最近のジョーの声質の悪化に納得がいかない私はこれがBent out~、イングヴェイのアルバムに続く「ジョーが良い声で歌っている」最後の作品と思ってます。
KING of DREAM,THE CUT RUNS DEEPなど全盛期のパープルがやっていたら名曲だったであろう曲が入っているのにこのアルバムの評価が低いのは、ペイスのドラム(完全にプロデュースミスである、だいたいレインボー時代からロジャーのプロデュースは好きではなかった、コージーという最高のドラマーが生かせなかった時点で自分はロジャーをプロデューサーとして認めていません)と後半の弛みが原因だと考えています、REMIX希望(まあまず無理だが
前作「THE HOUSE OF BLUE LIGHT」発表後、二度目の脱退をなしたイアン・ギランの後任に元RAINBOW~YNGWIE MALMSTEEN'S RISING FORCEのジョー・リン・ターナーを迎え、レコード会社も移籍して制作された'90年発表作。 メンバー5人のうち3人が元RAINBOW組ということで「DEEP RAINBOW」等とも揶揄されもした。 楽曲のパンチ力に欠けていた前作に比べ、幾分バラエティに富んだ楽曲が並んではいるものの、その音楽性は再結成後の路線から大きく変化してはいない。 そのため、ジョー在籍時のRAINBOW最後のアルバム「BENT OUT OF SHAPE」の続編のようなキャッチーな楽曲の詰まった作品を期待していたファンにとっては若干肩透かしを喰ったかもしれない。 そのジョーの歌唱は相変わらずソウルフルで素晴らしいが、やや枯れた声質となったことでかつての艶が失われているのが気になる。 終始大人しめのドラム・プレイも、後にリッチーから「実はドラム・マシーンを使用していた」との仰天告白がなされている。 重厚な香り漂うリーダー・トラックの「KING OF DREAMS」、ジョンのオルガン・ソロが大活躍する「THE CUT RUNS DEEP」、名曲「LAZY」を彷彿させるシャッフル・ナンバー「FIRE IN THE BASEMENT」、ジョーのソウルフルな歌唱が素晴らしい「TRUTH HURTS」、ポップなキーボード・リフの「BREAKFAST IN BED」、厳かなムード漂う「FORTUNETELLER」、元FORIGNERのアル・グリーンウッドとの共作曲「TOO MUCH IS NOT ENOUGH」といった楽曲はいずれも良いし、個人的にはリッチーの泣きのギターが炸裂する「LOVE CONQUERS ALL」とアルバムにおいて最もアグレッシヴな「WICKED WAYS」が気に入っているが、やや落ち着きすぎとのきらいはある。 クラシック・レコードのようにレコード盤に針を落としてじっくりと聴きたくなるようなアルバムだ。