DEATH ANGELの変化を代表させることが可能な'90年作、3rd。 ③Veil Of Deceptionや⑥A Room With A Viewのイメージの広がりは、素晴らしく詩的ですらある。 奇術楽団的な⑤Discontinuedもイイです。 1stに比べたら衝撃性は減ったけど、演奏は充実しており、アルバムの重要性も何ら劣ってはいない。
'90年発表の3rd。再結成第1弾アルバム「THE ART OF DYING」が余りに素晴しい出来だったので、購入して1、2度聴いて以来、 「いまいちピンとこないや」と長らく放置状態にしていた本作を、久し振りに引っ張り出して聴き直してみたのだけれど・・・ あれ?これってこんなにイイ感じのアルバムでしたっけ? 「スラッシュ・メタルとファンクの融合」が意欲的に推し進められた作品として知られているが、 その試みは飽くまでリズム面のみに留められていて、クランチーなリフの刻みや、強靭且つしなやかなグルーヴ、 そして、時に強烈な哀愁を発散するメロディからは、ファンク的なユルさや能天気な雰囲気が感じられる場面は殆どない。 特に、パッションを秘めた繊細なアコギに導かれてスタートし、やがて濃厚に泣きまくるGによって 劇的な盛り上がりを見せるバラード⑥“A ROOM WITH A VIEW"は、個人的にアルバムのハイライト・チューン。 聴く度に脳裏に「南国の黄昏時」の風景が勝手に思い浮かび、ドップリと浸れます。 哀メロの質が、欧州風味よりスパニッシュ風味の方が強く効いてる辺りが、このバンドらしいところかな、と。 それにしても、MORDREDの1stや2ndといい、本作といい、「先入観は目(耳か)を曇らせる」と痛感させられるアルバムでした。