アルバム・タイトルの意味は、"Blue=憂鬱"、"Green=未熟さ"、とも考えられる。そうすると"Orange"は謎だが、 オレンジの花言葉は"純潔、誠実、寛大"などのようだ。若さや初々しさを意識したのだろうか。 さて、新ヴォーカルBrianは、声の枯れ具合はEdwin以上だが声質が同じなので違和感はない。 しかし、サビでは声を張り上げるだけになってしまい、歌唱力に成長の余地があるという感じだ。 サウンドは前2作とは異なり、デジタル志向が強く打ち出されたものとなっている。制作当時のロック・シーンを考えると、 グランジ・ブームが一段落し、U2の『POP』、Prodigyの『Fat Of The Land』など、ロックとデジタル・サウンドの融合が流行した時期だったように思う。 本作も一応その流れに乗ったものだが(意図的かどうかは不明)、あくまでも雰囲気程度。 Brianの加入で曲作りに変化が生じたようで(分業制→全員参加)、曲はポップな印象が強まり、ラテン・パーカッションは若干減った。 ただ、アレンジにピアノを導入したことは見逃せない。ラストの「My Beautiful Deep End」はLed Zeppelinの「No Quarter」のような雰囲気もある。 歌詞は前作以上に難解。意味を理解する以前に、読む気がしない。突き抜けてしまったか。 そんな中でも、3曲目「Gargantua」はファンなら衝撃を受けるだろう。これまでの彼らでは考えられないポップな曲調もそうだが、 "モントレーまで40光年でも我々は行くだろう"、"平和と開放の道を見つけよう"等、とにかく前向きである。 また、4曲目「When Did You Get Back From Mars?」の"何が君を行かせた?そして何時火星から戻ってきた?"という一節は、 前作の「One More Astronaut」との関係を感じずにはいられないが、"私には決して理解できないけどね"と、その世界観をつっぱねている。 前作のラストで見せた開放感の延長か。7曲目「Cloud Pump」では"The rain will fall For sure that would be something soulful"という一節があり、 Brian加入に対する彼らの自信が伺える。 サウンドのデジタル化については賛否両論あると思うが、楽曲それ自体は良いと思うし、"新生IMEの新しいスタート"を感じさせるものになっていると思う。