ユーゴスラヴィアの分裂に題材をとった、'95年発表のコンセプト・アルバムです。 曲だけを聴けば、『EDGE OF THORNS』がやっぱり一番かなとも思いますが、ストーリーを追いながら聴くと、このアルバムは本当に感動的。 ジョン・オリヴァが全曲歌っちゃったりすると暑苦しすぎですが、メインがザッカリー・スティーヴンスでジョンがおまけというバランスだと、丁度いいです。 やっぱりSAVATAGEはクリス・オリヴァのギターでないと…という方も多いと思いますが、クリス・キャファリーとアル・ピトレリのコンビも良いメロディとプレイを注ぎ込んでいます。 (6)「THIS ISN'T WHAT WE MEANT」以降の怒涛の展開は、泣きまた泣きの音楽世界を描き出します。(11)「NOT WHAT YOU SEE」で感動が最高潮に達するところなんか、何回もリピートで聴きたくなっちゃうくらい。 ストーリーも話題になり、ヨーロッパではかなり売れた作品だったはず。これはメタルのコンセプト・アルバムの中ではかなりの傑作だと思います。
完全なコンセプトものなので歌詞がわからないと価値は半減してしまうと思います。 楽曲は地味というか何というか…「これぞメタル!」って感じではありません。 少なくとも「激しい曲で首を振りたい」という向きにはオススメできないアルバムです。 しかし、中盤以降のストーリーの盛り上がりは素晴らしく、 ラストを飾る「Not What You See」でカウンターパーツが炸裂する瞬間、感動がピークに達します。 メタル的にどうなのかはおいといて、音楽として「いい作品」ではないでしょうか。 個人的には「メタルももう飽きてきたな~」という人が「卒業」とか言い出す前に聴いてもらいたいアルバムです。