'77年発表。6作目。 10分を超える大作2曲(②と⑥)を収録する本作は、『2112』で用いた方法論がさらに洗練されている。HR/HM然とした"音"は変わらないが、全ての曲において明らかに『2112』の楽曲より曲の持つ"フック"がレベルアップしている。 また、アレックスのギターは楽曲によってソロの印象がかなり異なる。1曲目のタイトル曲では、イントロがアコースティックギターでリリカルに始まるが、ソロパートはある意味凶暴とも言えるようなアグレッシヴさに満ちている。そうかと思えば、3曲目「CLOSER TO THE HEART」(嗚呼、永遠の名曲!)では美しく優しいメロディを奏でる・・・。 この他にも3人のプレイが絡み合い、壮麗な大伽藍を構築するような②や⑥は圧巻である。 特に⑥は白鳥座X-1(我々の銀河で代表的なブラックホール)に向かう宇宙船ロシナンテ号の物語であると同時に、人間の精神の深奥へと向かう旅について歌っている。歌詞の世界もますます広がりと深みを獲得したといえる。 個人的には③を収録しているというだけでも傑作中の傑作なのだが、RUSHに初めて触れようという人はまず『2112』を聴いてみてからの方が良いかもしれない。 ・・・そして、ロシナンテ号の冒険は次作『HEMISPHERES』に続く・・・。
僕の中ではこれがRUSHの最高傑作だと思ってます。RUSHは、「決定的な駄作」がないバンドですし、未発表曲を出さない位作曲の精度を極めていますので色は異なれど、どの作品も楽しめますが、「A FAREWELL TO KINGS」は、ハードさとポップさのバランスが取れ、大作でありながら飽きさせない不思議な魅力を持ってます。 初心者にはちょっと難しいと思いますが、プログレに免疫のある人なら、悶絶する確率が大きいと思います。
初めて聴いた時は「Cygnus X-1」に完璧に悶絶させられました。 しかし。 もう一つの大作「Xanadu」や「Closer to the Heart」も名曲ではないか! おまけに。 「A Farewell to Kings」や「Cinderella Man」もなかなかの佳曲。 つまり捨て曲なしの名盤!! 個人的には最高傑作はこれかと。