総評:メロディアスだけど、軽いHR。駄作。でも、数曲棄て難いナンバーもある。 ONE WAY OR ANOTHER 唯一、john wettonがvoの珍しいナンバー。イントロでヘヴィなリフも聴けるハードロック曲。 WEEP IN SILENCE 透明感のあるバラード。泣きのイントロはイイ。david byronの声が冴えている。佳曲。 MISTERY イントロ・ギターは、メロディアスだけど、曲の構成が。。。 CAN'T KEEP THE ROCKIN' BAND ムーグの目立つイントロ、シンプルなサビを持った軽いロックンロール。 SNOW IN THE FOOTPRINTS アコギ・イントロが印象的。でも駄曲だと思う。 CONFESSION ピアノとヴォーカルの曲。冴えないアルバムの奮因気を象徴する。
1976年5月発表の第10作。彼ら初のセルフプロデュースアルバム。JOHN WETTONのリードヴォーカルをフィーチャーしたONE WAY OR ANOTHERやWEEP IN SILENCE等は素晴らしいが、中盤以降は殆どがミディアムテンポなポップナンバーで占められており、ハード・ロックとしてはいささか迫力不足だ。KEN HENSLEYのハモンドやエレピの音は、古いスタイルのハードロックからの脱却を意図しているようにもとれる。洗練された音作りを目指した分、ワイルドな部分がなくなった感があり、当時のミュージック・ライフ誌では、「彼らはもっとヤクザなバンドだった。」と評されている。いずれにしてもファン以外の人にとってはあまり魅力的なアルバムではないだろう。しかし当時のファンにとっては、本作を最後にDAVID BYRONが解雇された事が悲しい事実だった。そしてWETTONも去り、URIAH HEEPの未来に不安を感じたことだろう。HEEPにとってもひとつの時代が終わり、新しい時代を迎えることになる。そんな思いで本作を聴いていると感慨深いものがある。ただ、グループを去ったBYRONとWETTONのその後は、あまりにも正反対な結末を見ることになった。人気ヴォーカリストだったBYRONは、泣かず飛ばずのまま1985年に世を去ったのに対し、WETTONはUKで再び脚光を浴びた後、80年代にはASIAでメガヒットを飛ばしたのは周知の通りである。