アメリカン・プログレ・ハードの雄峰がシカゴにあるとすれば、カンサス州ウェスト・トペカは大山脈の端にあたる。KANSAS。アメリカン・プログレ・ハードを代表するもう一つのバンド。 KANSASの創出する音楽の特徴は、ポップでありながら複雑な構造をもつ楽曲構成が挙げられるが、なによりもギターとソロを分け合うのがヴァイオリンであるというのが、最大の売りであろう。 ギターとヴァイオリンのスリリングな応酬が、プログレ・ハードの醍醐味を味わわせてくれる。 本作は'78年に発表されプラチナムに輝いた、KANSASの5作目。 1曲目のタイトル曲、「Point Of Know Return」と2曲目の「Paradox」は永遠の名曲。7曲目「Dust In The Wind」は、この曲を知らないのは罪であると言いたくなるほどの名曲。 捨て曲皆無。傑作。
KANSASの代表作。この頃のKANSASが如何に充実していたかが伺えるアルバムである。 何しろRobby Steinheartのvioline、Kerry Livgren、Steve Walshのkeyboard、Rich WilliamsとKerryのguitar、そしてS.Walshのvocal、全てが不自然でないアンサンブルの応酬で、独特なKANSASワールドを築きあげているのだから。 この手のバンドでは、とかく難解(それはそれでいいけど)になりがちだが、曲のセンスの良さ、コンパクトにしながらトリッキーな構成が非常に魅力的である。また、アルバムA面、B面の流れも絶妙なバランスで配されていて聴きあきない内容になっている。 本作が全米4位に上昇したのは、納得。尚、シングルは、Point Of Know Return(29位)、Dust In The Wind(7位)と健闘した。
もっと長くなるはずの曲を、敢えてこの長さにした、だから非常に濃いものができたぜ、 とメンバーがその音で雄弁に語っているかのような仕上がりです。 人間の裏も表も全て優しく包んでくれるような包容力のある音はやっぱり満開ですし、 ドラマティックな曲あり、静かなバラードあり、さながら音楽のテーマパークのよう。 「Dust In The Wind」(Scorpionsの名カバーも必聴!)は有名ですね。