'76年発表の、9作目。 前作『狂気』の大ヒットがプレッシャーとなり、相当な難産の末にリリースされた。が、結果として歴史に残る傑作が産みだされた。 幽玄さ漂うプログレッシヴブルース「SHINE ON YOU CRAZY DIAMOND」は勿論、4曲目の「あなたがここにいてほしい」(あえて邦題で書かせてもらう)は名曲中の名曲。特に④は、元リーダーで精神を病み脱退したシド=バレットに捧げられ、涙なくしては聴けない。
自由な宇宙空間を漂うようなイントロから立ち上がってくる、"Shine On You Crazy Diamond"。 暴力衝動を全て振り去った時、このメロディが頭に響くようになれば、解脱へはもう一歩。 全ての曲に明確なメッセージとコンセプトがある。 サウンドバリエーションの豊富さにもぜひ注目してほしい。
発売当時は前作が大傑作の『狂気』であったためか賛否両論もあったみたいだが、今ではフロイドにおいても人気の作品。個人的にも『狂気』より劣るがもちろん名盤。 前作が客観的な捉えかたをしている反面で、今作では主観的な作風に仕上がっている。そのため、メンバーのシド・バレットに対する思いや感情がストレートに伝わってくる印象を受ける。 演奏面においてはやはり「Shine On You Crazy Diamond」のギルモアのギターは感涙もの。③のバラード「Wish You Were Here」も代表曲。
前作の『THE DARK SIDE OF THE MOON』よりもわかりやすいと思います。 SEもあまり使ってないし、楽曲は長いながらも複雑さは感じさせません。 大作"Shine On You Crazy Diamond"を1曲目と5曲目に配置し、"Welcome To The Machine"・"Have A Cigar"・"Wish You Were Here"の3曲を挟むという構成。 その"Shine On You Crazy Diamond"はとても胸に迫りくる曲で、ギルモアの泣きのギターが大きくフィーチュアされてます。サックスもいいし、とても感動的です。 間の3曲もそれぞれ個性的で魅力があります。キーボードも随所に効果的に使われてます。 聴いてて不思議な気分にさせられる作品。 別世界に連れて行ってくれる。