これはひどい。目も当てられません。Meidenのアルバムの中では、唯一売却済みです。リリース当時はMeiden大リスペクトの後輩ミュージシャン達からすら激しい非難を浴びたそうで、偉大なる鋼鉄の処女の恥部というべき惨めな作品です。私としても、この作品だけは擁護する気になれません。Killersが未発曲集的凡作、Dance of Deathがセンスに乏しい問題作とすると(どちらも「名作」との絶賛の声が多いのは承知してますが)、このVirtual Ⅺは正真正銘の駄作といってよいでしょう。
しかし本当のことをいえば、ハリス先生には敢然と勝負に出て欲しかったです。ブレイズにすべてを賭けるつもりで、今までのドラマティック路線を捨ててMan on the Edge や Futurealのようなシンプルな曲で攻めるべきでした。そうなっていれば従来のファンを失望させたとしても新しいファンを獲得できただろうし、なによりVo交代の意義を広く人々に納得させられたことでしょう。逆に今までの路線を守りたいなら、涙を飲んでブレイズを切り、楽曲の世界観を表現し切れるだけの力量をもったシンガーを加入させるべきでした。少なくともこういう中途半端なことだけは避けるべきだったと思います。
Fear of the Dark以降であることを感じさせる音楽性メインながら、 80年代に回帰しているような部分も。 いろいろ言われているブレイズも(ライブは別として)どうにか頑張っている。 良曲がほとんどを占めており、曲数もちょうど良く飽きさせないことから、 全体のバランス的にはブルース復帰後より優れているとも言える。 メイデン屈指の隠れた名盤と思われ。
という話は置いといてアルバムとしては、 全体的な曲の質も、8th以降現在最新盤の16thまででは一番まとまっていて、捨て曲と言えるほどのものは無いです。(その点は4th, 5thよりも良いですね) 特にFutureal, Como Estais Amigos, Lightning Strikes Twice, Don't Look to the Eyes of a Strangerがいいですね。