1968年11月22日、Apple Recordsよりリリースされた9thアルバム。
The Beatles唯一の2枚組オリジナルアルバムで、The Beatles自身が設立したApple Recordsから発売された最初のThe Beatlesのアルバム。
Richard Hamiltonによるアルバムジャケットは白一色で、そのジャケットのイメージから『White Album』という俗称で呼ばれることが多い。
2枚組30曲入り(93:35)というヴォリュームでかつ多種多様な楽曲が収録されており、現代音楽の全ての要素が詰まっていると評されるほど多彩な作品が集められている。前作まででみられたサイケデリックな雰囲気は影をひそめ、アレンジ面ではバンド・サウンドを活かしたシンプルなものが多くなった。しかしながらソロ作品の集合体といった趣もあり、全体としてのまとまりに欠けると評されることもある。
このレコーディングの途中から8トラック・レコーダーが導入されたことにより、4人が同時に演奏する必要が無くなり、メンバーが個別にレコーディングしたものが多くなる。また、プロデューサーのGeorge Martinは、曲を絞って1枚のアルバムとすべきという意見であったが、最終的にはメンバーの主張が押し通された。George Harrisonの作品「While My Guitar Gently Weeps」にはEric Claptonがリードギターで参加した。また、レコーディングの期間中Ringo Starrが一時グループを脱退したエピソードがあったことから、The Beatles崩壊の始まりと言われる作品でもある(ただしRingo Starr自身は前アルバムよりも本アルバムの制作の方が楽しかったと語っている)。Paul McCartneyは後年、「このアルバムは脈絡がないだとか、ソロばっかりだとか言われるけど、後から言うのは簡単さ。The BeatlesのWhite Albumだぞ。黙れってんだ」と語っている。
Recorded:30 May – 14 October 1968, EMI and Trident Studios, London
Producer:George Martin