僕がPRIESTが大好きな理由の一つはアルバムごと、そして曲ごとに変化すること。さらにどれだけ変化しても不変の美学がありクオリティも最高であること。このアルバムは前作とは全く別物だがHRとして完璧なアルバムだし捨て曲無し。1,2,6,7,9とか名曲もたくさん。特に“TURBO LOVER"はこの時代の彼らならではの名曲。ただし!! 個人的にはこのアルバムから「RAM IT DOWN」「PAINKILLER」までの三枚は曲単位ではともかくアルバム全体として若干個性というかアクの強さがうすれて聴きやすさ重視なのが少し気になる。大好きだしいずれも名盤であることは間違いないが、そして曲の質は依然並のバンドの追随を許さないが、曲のタイプがより普遍的で普通のHM/HR化しており、それがこの時期PRIESTの存在感を薄れさせた原因だと思う。言い換えれば、クセがなく聴きやすいアルバムなので未体験者の人にはいいと思う。
ずばり「ものすごく過激なアルバム」でもあります。本来かなりアグレッシヴでハードな曲をポップなアレンジと音作りのなかに押し込めている。そう楽曲そのものは70年代から続く「PRIEST流HR・へヴィロック」の延長線上にあります。「STERBREAKER」、「SAVEGE」、「BURNIM'UP」、「~OLD TO BE WISE」、「HOT ROCKIN'」、「BLOODSTONE」等々。この作品中でも「LOCKED IN」や「ROCK ALL AROUND THE WORLD」や「WILD NIGHTS、HOT CRAGY DAYS」なんかはロブの絶叫も冴え渡る充分にアグレッシヴな曲だ。また噂では映画「トップガン」に使いたいとの申し入れをなぜか断ったといわれている「TURBO LOVER」は圧倒的に凄い。ちょっと現代までのメタルとロックの歴史にも余りないタイプの特異な曲。例えば映画「マトリックス」なんかに使ってもおかしくないのでは。さらに「RECKLESS」もある。これは最近では本作中最もPRIESTらしい曲ともいわれてるが、いやいやとんでもない。PRIESTがあとにも先にも作らなかった極上のハードポップチューン。近い曲には「(TAKE THESE)CHAINS」なんかがあるがあれは外部ライターの曲。外部の手を借りず、曲そのものはハードなままで、これほど洗練されたハードロックにシフトできた例は殆どないのでは。同じベテラン勢のエアロは外部ライターやプロデュ-サーの力を借り、白蛇はメンバーチェンジによりモダン路線へのシフトを成功させた。PRIESTは自力で70年代から80年代へ、アグレッシヴからポップへと転進した。少なくともアメリカでは前2作に劣らないセールスだったはずだし、ツアーの規模もこのときが多分最大。最も知名度が上がり、バンドの商業的なピークをもたらした作品なのでは。 その意味ではPRIEST随一の野心的な実験作であり最高作。
「ぎゃふん」という言葉を知っている人は多いけど、それを実際に言ってる奴を見たことがないように、「シンセが多用されてるのが問題だらしいよ」という意見はよく聞くけど、実際にそれが理由で嫌いな奴を私的に見たことがないのです。 結論:どの楽器使おうが、ええ曲はええ曲。 個人的には、このアルバムとRam it downまでで曲作りの才能は枯渇したような気がしてる。
DEFENDERS OF THE FAITH 、RAM IT DOWN、PAINKILLERなどの作品を最初に聞きPRIESTのイメージを勝手に作ってしまった人がこの作品を聞くと多分物足りなさを感じると思いますが、これはこれで優れた作品です。 ROCK'NROLLやPOPな要素が割とでています。この時代背景がよく出ているな~と思う。どの作品もプリーストらしく時代性を取り入れていますが、これもそうですね。 あと、ギターの音が結構メタリックで好き。
シンセイサイズド・ギターを導入したキャッチーな作風が「問題作」となったのは周知のとおり。 今だからこそ「いい作品である」という評価も出来るが、「SCREAMING FOR VENGEANCE」、「DEFENDERS OF THE FAITH」とHEAVY METAL史に残る名盤を立て続けに発表した後の路線変更であったため、戸惑いを感じたのは事実。 しかし、同じアルバムを作り続けないのもPRIESTの魅力であり、楽曲の完成度も非常に高い。 良くも悪くもアルバムの印象を決定付けた「TURBO LOVER」、明るく疾走感のある好曲「LOCKED IN」、サビを合唱したくなる「PRIVATE PROPERTY」、反抗心あるキッズへのロック・ナンバー的な歌詞の「PARENTAL GUIDANCE」、明るいロックン・ロール賛歌「ROCK YOU ALL AROUND THE WORLD」、幻想的なイントロを持つドラマティック曲「OUT IN THE COLD」、リフがちょっとAC/DCを想起させる「WHITE NIGHT,HOT & CRAZY DAYS」、シンセ全快ながらも哀愁感ある「HOT FOR LOVE」、悲哀に満ちたメロディが絶品の「RECKLESS」と、80年代のアリーナ・ロックを意識したかのような作風である。 所々に散りばめられた哀愁も見逃せない。名盤です。
前作から一転、ポップなしあがりなアルバムだけど、曲はいい。だから良く聞く。もっとも好きなのはOUT IN THE COLD。これはまさしくJUDASの曲。PARENTAL GUIDANCESは、もうブリティッシュポップって感じだけど、こんな感じの曲は初期の曲にもたまにはあった。(ということを、後から知った。)JUDAS PRIESTのアルバムだから問題作って言われるだけで、絶対に駄作なんかでは無いと思う。問題作といわれたアルバムが駄作で、その後浮き上がれないバンドとは違う。前作の評価が高かったのに一転こうゆうアルバムを作ってしまうところなんか、余裕を感じる。というか、とにかくやりたいことやってるのかな。
久しぶりに聴いた。よーするに、当時JUDASは一気に全米制覇したいがためにこんな作品を作ったんだと思います。Another Thing Comingで勢いを得たのに(アメリカでは)Defenders Of The Faithが思ったほど行かなかったから。でも、今となっては彼らのキャリアの中でも異色の面白いアルバムです。
シンセを大胆に取り入れたサウンドが、新旧のファンの間で賛否両論となった1986年の10枚目のアルバム (元々は、結成15周年・アルバム10枚目を記念して2枚組で出る予定だったらしい)。 IRON MAIDENも同年発表の「SOMEWHERE IN TIME」でシンセを取り入れていましたが、 あちらのアルバムもこのアルバムも「シンセが入ってるからダメ」と切り捨てられるような作品だとは思いません。 実験的な要素は強いものの、Locked InやRock You All Around The Worldはある意味JPらしい曲ですし、 隠れた名曲とも言えるOut In The ColdやHot For Love、Recklessなど聴くべき部分は多いです。
1986年リリース、記念すべき10枚目となるオリジナルアルバム。全9曲で41分の作品。 ドラマティックな英国産様式美HMを体現していた名作『DEFENDERS OF THE FAITH』の次に、 このポップで明るいアルバムですからね、なんだか拍子抜けしてしまうというのもわかります。 でも、これはこれで良いアルバムだと思いますよ。 いわゆる超名盤とかではないでしょうが、キャッチーな良い曲ばかり揃えてますし、非常に楽しく聴けます。