グラハム・ボネットの圧倒的な存在感を味わえる3rd。 ポップ&キャッチーな「Danser」がアルバムの中では異様に目立つ気がしないでもないけれど、「Assault attack」「Desert song」のような緊張感の張り詰めた楽曲もあり、グラハム声が最高。 グラハム参加作品の傑作のひとつ。(他はRainbow『DOWN TO EARTH』、グラハムのバンドAlcatrazz『NO PAROLE FROM ROCK'N'ROLL』。)
リマスター盤を聴いて改めて本作の充実ぶりを実感。 スリリングな曲、じっくり盛り上げる渋い曲、さらにはポップなものまでバランス良く収録されています。「ROCK YOU TO THE GROUND」「DESERT SONG」といった長めの曲が実に渋くドラマティックです。アルバム後半はややダレる気もしますが。 ポイントはやはりグラハムの存在感抜群の歌で、正直好き嫌いがハッキリ分かれるでしょうが、あらん限りの力を振り絞るスタイルは否応無く聴き手をねじ伏せる迫力に満ちています。裏声を使わずグイグイ伸びる高音も見事。 分離が良くブライトなギターサウンドも本作特有のものだと思います。このサウンドを生かした様々なリフワークが堪能できます。 ギターソロも素晴らしい。緊張感をじわじわ煽るフレージングとハッとする美しいメロディのコントラストが鮮やかで、ソロ前後のちょっとしたアレンジや展開含め、非常に冴えわたっています。 上で何人か触れられていますが、タイトかつ重量感あるリズムセクションの貢献度も大きい。僕は前作のコージー・パウエルよりテッド・マッケンナのドラムの方が好きですね・・・ ボーナストラックの曲もなかなかカッコいいですよ。
HMの名盤といえば、以前はSCREAMING FOR VENGEANCE(JUDAS PRIEST)だったのに、最近はそれを差し替えるかのごとくDEFENDERS OF THE FAITH(同バンド)を押す方が多いですね。ある時MSGのASSAULT ATTACKのジャケットを見て「HRにおいてのDEFENDERS OF THE FAITHは何だろう?これかも?」と思いました。しかし少し考えて、まずはRAINBOWの名盤を差し置いてそれはおかしいし、他にも色々候補はあることに気付きました。更にこのアルバム問題作扱いされていたんでしたね・・・。だけどそう思う位強力な作品ですよ!大好きなアルバムですし、カタログ中一番均整のとれた作品だと思います。 まだの方は聴いといた方がいいですよ。前半いい曲が並んでいますが、⑤で絶頂を迎えると思います。
重い様式美溢れるメタルと極端にポップな曲が同居する、M.S.G.版Down To Earth(Rainbow)という感じ。グラハムの活かし方として、リッチーとマイケルが(もしくはPが)同じ判断を下したのが面白い。 グラハムは流石のパワー。マイケルのアルバムの中で、ヴォーカルがギターと対等に戦えているのはこのアルバムだけ。マイケルのギターには、ディオタイプのこねる暑さよりも、グラハムのストレートに突き抜ける熱いタイプの方がより対比が利いてマッチする。思えばディオのフォロワーの多さに比べてグラハムフォロワーって余りいないね。
このアルバムの成立は良く知られているが、本当に一瞬の偶然、隙間みたいなもの。 ゲイリー・ムーア・バンドの空中分解で流れて来たコージー・パウエルは、ゲイリー・バーデンの実力不足を不満に思い、デヴィカヴァを引き入れようとするも失敗。そこで、Rainbow時代の親友グラハムを引き入れることに成功するも、今度は自分がデヴィカヴァに引き抜かれることに。理由はイアン・ペイスがゲイリー・ムーア・バンドに行っちゃったから。何このPulple Rainbow Gary MSG近親相姦的ドロドロぶり。 人誘っておいてレコーディング前に何で抜ける!?と、厄介なギタリストの面倒を押し付けられたグラハムはこの時点でほとんどやる気なし。何とかレコーディングは終えたものの、お披露目ギグで(わざと?)下半身を晒して逃亡。そのままクビに…と、もう何が何やら(笑) まあ、ポップスの歌メロしか作れないグラハムと、歌メロ他人任せのマイケルが続く訳もなかったのだが。それでも、数年前に中野サンプラザでお披露目ギグ以来の和解競演を観ることが出来た時には、何故か涙が流れましたが(笑)