「IN ROCKのB面」といえば、当時の僕らには回教徒のコーランのような存在でした。 これは人間でなく、神々が怒り狂っている音に違いないと。 「CHILD IN TIME」が終わり、針が上がり、B面にひっくり返して再び針を落とし、「FLIGHT OF THE RAT」が始まるまでの、数秒間のあの待ち遠しさ、全身が震えるような期待感。 「INTO THE FIRE」の終わりから「LIVING WRECK」につながる、長く暗い廊下のような静けさ、「LIVING WRECK」エンディングのペイスとグローバーの死闘、、、ああ、きりがない。 こうして書き込んでいながらも、背筋に戦慄が走り、感動の涙があふれてきそうです。
HMの黎明期は1970年であると私は考えます。即ち、ブラック・サバスがデビューし、パープルがこのアルバムを出した年です。クリームとかジェフ・ベック・グループだ、という方もいらっしゃるでしょうが、サウンドに直接的な関連が伺えません。 ヘヴィなサウンド、ハードなギターリフ、ハイトーンのシャウト、スピード感のある曲調、テクニカルな演奏…HMに不可欠なこれらの要素をすべて兼ね備えたのは、私が知る限りこのアルバムが最初です。また、「CHILD IN TIME」は私が知る限り最古の様式美HMです。 このアルバムが古臭く聞こえるのは、今のHMサウンドと比較してしまうからでしょう。初めてこのアルバムを聴くのなら、その前にフリーの『ファイアー・アンド・ウォーター』(名盤)を聴いてみましょう。これも'70年のリリースですが、'60sブルースロックの総括みたいなサウンドです。まったりしたブルースロックに浸った後にこのアルバムを聴いたら…間違いなくぶっ飛ぶでしょう。
「MACHINE HEAD」はギターの音が細いですが、このアルバムではギターが「爆発」してます! メチャメチャかっこいい曲ばかり。疾走ナンバーも結構あって大満足。 前編シャウトの「SPEED KING」、高音部がもはや神の「CHILD IN TIME」・・・全曲最高。 「LIVE IN JAPAN」での「CHILD~」の、高音部完全再現も必聴。
Led Zeppelin 1st.と双称されるべきHRを世に知らしめたパープル第2期にしてHRの処女作かつ最高傑作と言ってもいい。。。荒削り、録音が悪い、古典的・・・等々の批判はあるにせよ、この作品がなければ、今のへヴィメタもなかったといえるほど、歴史的にも 重要なアルバム。特にジャケット・デザインの斬新さとともにハードロックという全く新しいジャンルの音楽は、当時の日本の若者たちを驚喜の坩堝に巻き込んだセンセーショナルなアルバムです!!すべては、イン・ロックから始まった。。。と言っても過言ではないでしょう。。。?!個人的に言えば、今のバリエーションに富んだ商業性の高い「へビメタ」(この言葉自体嫌いですが。。。)なんかより、ずっとずっと凄いアルバムです。。。 まさにハードロックの原基形態がここに凝縮されていると言って過言ではないと思っています。。。
RAINBOW(ヴォーカルはJLT)でHM/HRの世界に足を踏み入れ、リッチー(とロジャー)がいたバンドとしてDPを後追いで聴きました。 RAINBOWが演った「SMOKE ON THE WATER」と「WOMAN FROM TOKYO」の一部を除けば、初めて聴いたDPのアルバムが「IN ROCK」(イギリス盤)でした。 「SPEED KING」の最初のパワー・コードでオッ!となり、ジョン・ロードのハモンドで静かになって聴き入っていたら、再び本編でドカンと来て、もう失神。 アルバム全部が衝撃の連続で、最後まで飽きることなく聴きました。 DPで一番好きなアルバムです。 この後に聞いた「MACHINE HEAD」は、コンパクト過ぎて入り込めなかった。 「LIVE IN JAPAN」も、HIGHWAY STARとCHILD IN TIME以外はちょっとマッタリしてる感がある(個人的には)。 ということで、DPの最高傑作は僕にとっては「IN ROCK」。 ちなみに、SPIRITUAL BEGGARSを聴いてると、たまにこのアルバムを思い起こします。
第二期黄金メンバーによる'70年発表の初スタジオ・アルバム。 リッチーがバンドの主導権を握ることにより、それまでのクラシックとの融合を試みたアート・ロック路線からバンドのインター・プレイを軸に据えたハード・ロック路線へと方向転換し、バンドの人気を決定付けることに成功した歴史的名盤。 楽曲のよさもさることながら、各メンバーの演奏が強烈極まりなく、そのヘヴィさは現代においても全く色褪せていない。 うねるようなギター・リフがあまりにもヘヴィかつストロングな「SPEED KING」や哀愁のメロディと驚異的なインスト・パートとが目まぐるしく展開し、ギランが壮絶なシャウトを聴かせる大曲「CHILD IN TIME」といった代表的名曲は勿論のこと、心地よい疾走感とメロディアスなインスト・パートが印象的な「FLIGHT OF THE RAT」や不協和音的なジョンのオルガン・サウンドが狂気的な「HARD LOVIN' MAN」といった曲も素晴らしい。 ヘヴィなギター・リフとギランの強烈なシャウトを聴かせる「BLOODSUCKER」、ブルージーかつヘヴィな「INTO THE FIRE」、ジョンのオルガンがダイナミックなプレイを聴かせる「LIVING WRECK」も捨てがたい。 個人的にはこのバンドの最高傑作であると信じてやまない。 メンバーをアメリカ西部に存在するマウントラッシュモアをモチーフに準えたアルバム・ジャケットもかっこいい。