1995年10月2日、EMIよりリリースされた10thアルバム。
前作『Fear of the Dark』に伴うツアーの後、Bruce Dickinsonがソロキャリア追求のためにバンドを離れた。
その後任として、WolfsbaneのBlaze Bayleyが加入して本作は制作された。
Dave Murrayは「ポルトガルのエディーズ・バーでいろいろなヴォーカリストの名前を出し合った。そんな中でSteve HarrisがBlazeの名前を出した。彼のミュージシャンとしてのアティチュード、判断力、フロントマンとしての素質は素晴らしい、と。そして、Steveが彼に電話したんだ」と述べている。
Wolfsbaneはツアーを目前に控えており、「シリアスには捉えてなかった」Blazeは返答らしき返答をしなかった。そこでIron Maidenは世界中からオーディションのテープを集め、後任ヴォーカリストの人選を開始した。数千ものテープを聴き、候補者を12人に絞り、代表曲を歌わせたりレコーディングさせたりしてテストを行った。1993年12月、Steveからの電話が頭から離れなかったBlazeは、Steveの自宅に「オーディションしてほしい」と電話で申し入れ、度重なる遅刻をしつつもオーディションを勝ち取った。
これまでプロデュースを担当してきたMartin Birchは隠居生活を送っていたために、彼らは過去にアルバムでエンジニアを務めたNigel GreenとSteve Harrisの共同プロデュースでレコーディングすることを決め、Steveの自宅スタジオに入った。
アルバムタイトルは“未知の要因”という意味がある。今回のバッキング・トラックの録音中に、上手くプレイできたと思ったテイクを聴きなおしてみたところ、何かが欠けているとSteveは感じたという。「これだ!」というテイクを前のヴァージョンと聴き比べてどこか違うというわけでもなく、唯一の違いはマジックが働いたか否かということだけ、そんな調子で常に未知の要因(X Factor)をを追い求めながらレコーディングし続けたという。これに、通算10作目(ローマ字でX)という意味も掛け合わせたものである。
チャートの順位は全英8位、全米147位と前作までに比べ大きく後退した。
Recorded:1994 – August 1995 at Barnyard Studios in Essex, England
Producer:Steve Harris, Nigel Green