オーストラリア産テクニカルデスメタル2014年作 The Scream That Tore The Sky(2005年作)の衝撃は忘れられない。テクニカルデスは星の数ほどいるが、Stagazerのハイテクは群を抜いている。 ギター、ベース、ドラムの三者に言えることは、相当な演奏技術者である上、メタルのジャンルには収まらない多様性を持っていることだ。 サウンドの特徴としては、音の密度の高さだ。ヘヴィな音の厚みで圧倒するのではなく、高密度な音数を用いて高速で刻むリフの迫力が最大の特徴だ。 デスメタルにしてはナマ音に近いエフェクトを施し、各パートの音像がクリアに聴きとれるので、圧倒的な音数によるインパクトが誤魔化しなく伝わる。 そういう音響なので、ベースの音もワリと細部まで聴きとれるが、このベースのテクニックが凄すぎる。ボクはベーシストなので尚更ベースに耳が行くが これほどハイテンションなベースを弾くミュージシャンも珍しい。割とベースが前面に登場するところも、このバンドの大きな特徴だ。 卓越した演奏技術の基盤があり、更に楽曲がメタルの枠に収まらないインテリジェンスさを感じさせる、やや前衛的な造りなので、相当聴き応えがある。 The Scream That Tore The Skyの頃は結構疲れる音楽性だったが、音響的な進化のせいか、高密度な音の束であっても無駄な疲労感を伴わないところがいい。 ハイセンスな楽曲、全体的に漂うイーヴルな感じがホント素晴らしい。超オススメ。