良質なバンドの登場が相次ぐシンフォニック・ブラックメタル界に、ENSLAVEDやKEEP OF KALESSINを始め良質なブラック作品のリリースで知られる、Indie Recordingsより新たな刺客が現れましたね…。これがまた素晴らしい出来で、日々マンネリズムと格闘しながら、後進のバンドからは突き上げを食らうベテランバンドが正直ちょっと気の毒になってしまうほど(笑)。
しかし、このバンドはシンフォ要素の取り入れ方のセンスが素晴らしいんですよね…。よくCRADLE OF FILTHとも比較されている通り、メロディそれ自体にはゴシック的な美意識が感じられるんですが…そのメロディのぶち撒け方にゴシック的な隠微さは余り感じられず、むしろサウンドトラックの派手さやキャッチネスが強いような印象。可憐なソプラノの導入なども良いフックになっており、聴き手を一聴で虜にする力のある、非常に求心力の高い仕上がり。