TYGERS OF PAN TANGが『THE CAGE』で カヴァーしてメロディアスなポップ・チューン。 重厚なOPナンバー“A LEGEND NEVER DIES”に始まり、 ノリの良い“2+2”、切なさの滲むバラード “I DON'T FEEL THE SAME”を経て、 この曲へと繋がる構成は、 ぐうの音も出ないほど隙がありませんよ。
現在はプロデューサーとして活躍するロバート・ホワイト・ジョンソン(Vo)と、HR/HMファン的には「MEGADETHの『THE SYSTEM HAS FAILED』でベースを弾いていた人」として知られるジミー・リー・スロースを中心に結成された、アメリカの4人組が’82年にEMI RECORDSから発表した1stアルバム。 KeyをフィーチュアするAOR/産業ロック・サウンドに基本的な軸足を置きつつ、メタル者の耳にも十分訴えかけて来るハードネスと重量感(ジミー・リーの骨太なBプレイの貢献大)をも兼ね備えた隙のない1枚で、後に、劇的なOPナンバー①をBLACKFOOTが、ノリ良くキャッチーな②をVAN ZANTが、ポップでメロディアスな④をTYGERS OF PAN TANGが、そして爽快ハードポップ⑥をマーク・ファーナー(GRAND FUNK)がそれぞれカヴァーしている事実からも、本作の比類なき完成度の一端を窺い知ることが出来るのではないでしょうか。 「色々なバンドがカヴァーしてる元ネタの宝庫」的な印象を持っていた本作ですが、実際に聴いてみると、上記以外の楽曲も素晴しいのなんのって。とにかく、思わず一緒に歌いたくなるアンセム調の楽曲から、キャッチーなメロディが胸を打つハードポップ・チューンまで、粒揃いの逸曲がズラリ並んだ名盤。当然のように捨て曲もなし。 現在ではMTM CLASSICシリーズの1枚としてCD化されていますので、機会がありましたら一度是非。