2010年発表の１ｓｔ。
Daemon Worship Productionsより発売。
NEFANDUSやSERPENT NOIRの作品を出してるレーベルですね。

という訳でレーベル買いなんですが、これが上記バンドに通じるような真性系の凄みと、WARブラックに通じる、ダーティなRAWさの入り混じったブラックメタルで、かなりの良盤。ドスの効いた太さと汚さを兼ね備えたプロダクションといい、頭のネジが一本外れたような狂気だけでなく、威圧感もあるヴォーカルといい、個人的にはアメリカのKRIEGの近作に近い雰囲気を感じたり。

ただ、この手のダーティさの強いブラックメタルとしては、一部かなりメロディアスな部分も含むのも特徴。そのメロディもMAYHEMやSATYRICONに通じるような、じわりと恐怖が伝わってくるような陰鬱さとメロウさがあるもので、なかなか耳を引きます。音質の太さとも相俟って、時折ゾクッとするような威風をも感じさせますね。

一曲一曲の演奏時間は短めで、アルバム通しても約２７分と決してボリュームがあるほうではありませんが、その分一気に聴きとおせるような勢いを持った快作に仕上がってると思います。邪悪でオールドスクールなものが好きであればおすすめ。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2013-01-19 06:09:24)