ロニー・ディオ主催のメタルプロジェクトHear N' Aid - Starsでは、ドン・ドッケンを公開処刑した男と名を挙げたポール・ショーティノがフロントマンを務めるバンドの2枚目。プロデューサーをメタル畑のトム・アロマから、幅広いジャンルに精通するジャック・ダグラスに変更。そのかいあって、音楽性により明確な意思が見えメリハリが生まれた。ヒット狙いもありつつ、新人らしからぬ貫禄が醸し出されるサウンドは聴き応え十分。存分に自分達の成長を見せつけている。シャープな①からグルーヴィーな②の流れも心地よい、そしてラジオ向けの2分半少々の③へと流れる展開に、今作の方向性と言うか、ジャック・ダグラスの狙いが見えてきたという事でしょう。どんなに軽めの曲をやろうとも、ポールが唄えばそこにロックな熱が吹きこまれるのが印象的。ツインギターコンビも派手目のプレイをねじ込み、メタルバブル勃発を見越した作風に終始したと言える。 前作が本格志向のアメリカンメタル成分が強めだった為に、今作における路線変更には賛否も多くあったと聴くが、結局は、リリースするも成功とは至らずに、ポールがQuiet Riot加入の為に脱退。バンドはほどなくして解散と言う憂き目にあってしまった。もう一枚、このラインナップで勝負して欲しかったなぁ。