金は出し渋るくせに、アルバム制作にはあれこれと口出したがるPOLYDORの横車によって、英国の曇天を思わせた1st『THE OFFICIAL BOOTLEG』に比べると、(快晴とまではいかないまでも雲間からお日様が覗く程度には)ライト&ポップな方向へとその作風が変化を遂げた'83年発表の2ndアルバム。 ライブならではの熱気と勢いも加味されていた前作と続けて聴くと、和やかさ大幅増の楽曲の変貌振りに驚かれるかもしれません。(両アルバムに収録されている⑥⑧の違いを聴き比べてみるのも一興かと) 尤も、『THE OFFICIAL~』に先んじデビュー・シングルとしてリリースされたキャッチーな名曲“酒と薔薇の日々”や、Keyを上手に取り入れた12インチEPの作風からも明らかな通り、元来ポップ・センスには長けていたバンドゆえ、個人的にはこのサウンド・スタイルも十分「有り」。リューベン・アーチャーの英国人シンガー然とした滋味を湛えた歌声、泣きや哀愁は薄れたものの相変わらずフラッシーなローレンス・アーチャーのGプレイは今回も好調ですよ。 「捨て曲なし」とまではいきませんが、ゲスト参加のマーク・スタンウェイ(MAGNUM)が持ち前の上品且つ華やかKeyプレイで高揚感を演出する“LOVE LETTERS”や、キラキラと眩い“TURNING IN CIRCLES”、仄かに哀愁を帯びたコーラス・ワークが印象的な“GIRL”等は本作ならではの名曲。