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At the Dawn of Sadistic Infernal Holocaust

2004年発表の1st。

ツタツタ疾走するリズムに、荒涼感あるリフを乗せた展開をメインに、時折不穏で邪悪なメロディのトレモロも仕込んでくる、プリミティブブラックにも通じる感性を持ったブラックメタル。起爆装置を意味するバンド名ですが、どちらかというと爆発力よりはじわりと邪悪さが染み出してくるような音。プロダクションにMAYHEMのDMDSを思わせる湿った感触があるのも、個人的にはポイント高いです。

作風自体、ブラックの邪悪さや魅力を分かりやすく伝えてくれるもので、非常に好感触なアルバムなんですが、それ以上に衝撃的なのがヴォーカルのがなり声。病気で会話が困難なレベルで喉が嗄れた時に無理矢理搾り出したような、異様に潰れまくった凄まじい声。声帯の擦れる音が直に聞こえてくるような凄絶さで、ブラックでもここまで潰れた声は珍しいと思う。この異形な感じもまた素晴らしいですけど、喉は心配になりますね(笑)。

曲も良質ですし、異様に潰れたヴォーカルというインパクトを与える要素もあるし、かなりの好盤ではないかと思います。このバンドについて調べてるくらいのブラック好きの方なら、まあ買って損はないかと。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-05-03 09:07:20)