グラマラスなルックスと、意外に(と言ったら失礼ですが)秀でた作曲能力の高さで「遅れて来たLAメタル・バンド」として評判を呼んだPRETTY BOY FLOYDがリユニオンを果たし、'99年に発表した2ndアルバム。 ダーク&ヘヴィの嵐が吹き荒れた90年代を活動停止によりほぼスルー出来たことが奏功したのか、本作で聴けるのは、砂糖菓子のように甘ったるい――それが個性でもある――スティーヴ・サマーズの歌唱スタイルから、彼が歌う親しみ易いメロディや、思わず口ずさみたくなるキャッチーなコーラスまで、デビュー作の美点を余すところなく受け継いだ、明るく楽しいパーティ・ロック・サウンド。硬派を謳っていた連中でさえ次々にトレンドを取り入れようとしてズッコケていた当時にあって、「恰好だけ」とか「軽薄」とか侮られまくっていた彼らの方が、むしろHR/HMシーンの変化にも揺らぐことなく自分たちのサウンドを貫き通し、矜持を示してくれているのですから皮肉な話ですよ。 一聴してまず印象に残るのが、1st収録曲のリメイクだったり(⑤⑧)、KISSのカヴァーだったり(④)するのは如何なもんかと思わなくもないのですが、それでも収録曲は高揚感を伴って煌びやかに駆け抜けるロックンロール②から、フックの効いた③、スウィートなバラード⑨に至るまで、理屈抜きに楽しめる楽曲ばかり。特に聴いているだけで気分が浮き立つような疾走ナンバー⑫は、「これぞPBF!」と喝采を上げたくなる名曲ですよ。 何故PRETTY BOY FLOYDが根強くファンから愛されるのか。その理由の一端を伝えてくれるポップ・メタルの好盤。
グラマラスな衣装とメイク、ポップでキャッチーな華やかさの中に毒々しいケバさもある、まさにL.Aメタル集大成とも言える混じりっ気のない音楽性を引っ提げ89年に鮮烈なるデビューを飾った彼ら、うつろいでいく時代の中でも、揺ぎ無いスタイルを誇示いていたかれらが2017年にリリースした待望のフルアルバム。お約束とも言えるモトリーの未発表曲の⑨やラストに収録されたStarzのマイケル・リー・スミスの楽曲など、おもてなしの心を忘れないユニークなカヴァーを収録していますが、それにもましてオリジナルナンバーのキレは、今まで以上に瑞々しく弾けており、これぞPRETTY BOY FLOYDという楽曲が目白押し、はじき出すマシンガンな如き軽快なスピードナンバー②なんて、モロに80年代後期の、あの音が封じ込められていると思いますよ。個性的な歌声を武器に、パワフルでキャッチーなハードロックサウンドの旨味は過去最強とも言えるでしょうね。ダイナミックなハードサウンドとポップロックの両面を併せ持つ、毒々しくも華やかで小洒落た今作は、10年以上、ファンを待たせただけの事はありますね。 こんな軽薄なもんワシャ好かんという意見も十分に理解出来ますが、ロックのもつ猥雑さ、背徳の倫理観、そこにロックの魅力をプンプンと漂わせていますよね。上手い下手では評価を下せない、まさにロックな魅力に包まれたサウンドだと思います。 普段は主食で聴くことは少ないのですが、この手の音楽は青春時代を、完全に通り抜けているので捨てる事は出来ませんね。スティーヴ・サマーズとクリスティ・メジャーズの二人しかオリジナルメンバーはいませんが、この声があればPRETTY BOY FLOYDですよ。久しぶりにL.Aメタルで燃えましたね。国内盤はKINGですが、元はFrontiers Recordsからでしょ。この手のサウンドも Frontiersは手掛けるんだね。ありがたいッス。
10年ぶり復活ののPBFの2ndアルバム! メンバーはオリジナルメンバーのSTEVE SUMMERS(Vo)、KRISTY MAJORS(G)、KARI KANE(Dr)に新メンバーKERI KELLI(G)とKEFF RATCLIFFEが加わってます。 収録曲は ① Good Girl Gone Bad ② Rock & Roll Outlaws ③ Shy Diane ④ Shout It Out Loud ⑤ Leather Boyz With Electric Toyz ⑥ I Wanna Be With You ⑦ Saturday Nite ⑧ 48 Hours ⑨ Summer Luv ⑩ Your Momma Wont Know ⑪ Restless ⑫ Set The Nite On Fire ⑬ Dept. Of Youth <日本盤 ボーナス・トラック> ⑭ Shut-Up ⑮ Stupid Girl です。 音もコーラスもほぼ1stのままで、MOTLEY CRUEやPOISON好きな人に是非聞いてもらいたいです。このアルバムは②、⑤、⑥、⑧、⑩、⑫が1stのセルフカバーで④がKISSのカバー、⑬がアリスクーパーのカバーで新曲は少ないですが、10年経っても変わらずのサウンドがうれしかったです。 まさにアメリカ国宝級のパーティーロック(誉めすぎかな!?)!!