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Welcome to the Edge of the World

BALANCE OF POWERやPRIDEといったバンドで、日本人好みの叙情HRサウンドをクリエイトし続けて来たにも関わらず、今ひとつその実績に見合った成功を享受できていない印象の苦労人アーティスト、アイヴァン・ガン(Key)が、元S.I.N.のフロントマン、ジェイソン・マークス(Vo)と組んで新たに立ち上げたプロジェクトのデビュー作。('10年)
このアルバムとて贔屓目に見ても話題になったとは言い難いわけだが、クオリティに関しては(これまでのアイヴァンが手掛けてきた作品がそうであったように)保証書付きの見事さ。楽曲の方向性はPRIDEをもっとハード且つドラマティックにしたような感じで、それを華やかに彩るのが、美しいボーカル・ハーモニーと、重厚且つキャッチーなKeyサウンド、クセのないクリアで伸びやかなジェイソンの歌声、それに元PRIDEのメンバーでもあったクリス・グリーンの劇的な構築美を湛えたGプレイの素晴しさ。
映画のサントラを思わせる壮大な序曲から繋がる②なんて、そうした要素が絶妙に絡み合いつつ展開していく、まさにOPを飾るに相応しいドラマティックな名曲ですよ。
それにしてもクリスのGプレイは素晴しいったら。ラルフ・サントーラ辺りを彷彿とさせるメロディの組み立ての巧さといい、聴いてると胸掻き乱されずにはいられない絶品の表現力といい、ゲスト参加にも関わらず本編の主役的存在感を発揮しまくり。
これほどの逸材が、今じゃ「正統派HR/HMじゃ食っていけないから」とモダンなヘヴィ・ロックを演ってるってんだから、世の中何か間違ってる・・・。

火薬バカ一代 ★★★ (2011-06-21 22:28:12)