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A Sultan's Ransom (1989年)
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A Sultan's Ransom
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解説 - A Sultan's Ransom
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コメント・評価

Recent 50 Comments



1. ダイアスパー ★★★ (2011-12-16 05:15:32)

大傑作だった2ndアルバムから、さらに楽曲のバリエーションを増やし、最後に大作志向の楽曲を配して、アルバム単体としてのクオリティを高めた3rd。

前作で見られたバンド内の確かなケミストリーがさらに深みを増し、ベテランのような風格さえたたえている。とくにラストに配された大作志向の名曲が、アルバムの印象を強く引き締めている。

良い意味でNWOBHM特有のB級臭さがまったくなく、メジャー・クラスの音が収められた作品だと思う。




2. 失恋船長 ★★★ (2024-06-11 17:53:53)

前作の流れを踏襲。英国的様式美スタイルとNWOBHM的攻撃性を研磨。正直、オープニングのキーボードには引っかかったが、そんな危惧は一瞬にして期待に変換、視聴後はオープニングのキーボードにニヤリとさせられます。
洗練度を上げているが、けして大衆性にすり寄らないメタルの中のメタルなサウンドを構築、だからといってマイナーな地下室には籠もっていないメジャー感を補完、世界中がメタルバブルに浮かれている異常さを尻目に、このバンドは器用に立ち回っています。
残念ながら商業誌からは無視、前作の評価も良くなかったから当然の結果なのかも知れないが、これほどの音楽性を1989年にやっていたという気概に胸打たれる。
死に絶えた英国のメタルシーン、その中で、このバンドは自らのアイデンティティを崩さずに多感な時代を生き抜こうと苦心している。

初期にあった邪悪なダークネスワールド、それとは手を切っているが神秘性は無くなっていない。歌詞の内容が分からないのでなんとも言えないが、陳腐なラブソングを歌うバンドには思えないので、このキーボードみたいに細いギターサウンドも懐かしい、テクニカルなプレイをビシバシとキメている。またキーボードでゲスト参加したポール・ハドソンのプレイも、この神秘性のあるサウンドに貢献、力強い歌声も相まって、独自性を極めている。

これほどの名作が今なおマイナーな存在なのは残念で仕方が無い。アイアンメイデンの最新作は、心底つまらないと思った。ワタクシは生涯、名前で音楽の善し悪しをキメたことは一度もない。このバンドが世間からどう思われようが、歴史的にもっと評価される価値があると本気で思いますね。

でもなぁいまだにいるのよね。NWOBHMってのは事象で音楽性じゃ無いって輩がね。そこまで言うならば、個人的にはメタリカがブラックアルバム出した時点でスラッシュメタルは死にました。それと同じなんですけどね。NWOBHMは事象にあらず、音楽性そのもの。
この音を聴いてNWOBHMが香りますよ。なによりメタルに対する高潔な精神性を強く感じますね。

どの曲もキラーです。捨て曲などありません。⑧などは3分を切るのでラジオ向けなんでしょうが、全然軽やかじゃない。このバンドの流儀に則っている。クラシックなメタルに興味のある若者には是非とも勧めたい強力な一枚。
年に5枚もCDを買わないワタクシでも2021年にDVD付きの再発盤には手が出ましたね。

無駄な構成を廃しているが、中身の濃さに圧倒されるでしょう。繰り返されるドラマ。その濃密な世界観に圧倒されます。何故、これが当時話題にならなかったのか今もって不思議です。当時のメイデンやJPと比較しても遜色梨なんですけどね。

少々青筋を立て大風呂敷を広げすぎたかも知れませんが、正統派メタルを愛するものとしてはマストな一枚ですね。断言ですよ。




3. 火薬バカ一代 ★★★ (2025-03-14 00:45:24)

NWOBHM勃発と時を同じくして結成され、既に活動開始から40年以上を数える現在も唯一残るオリジナル・メンバー、リー・ペイン(B)を中心にアルバム・リリースを重ねている英国はミッドランド出身の古豪CLOVEN HOOFが’89年に発表した3rdアルバム。
前作からメンバー・チェンジなく制作されている本作で披露されているのは、これまでの作風を順当に受け継いだ、湿り気とドラマ性を兼ね備えつつ決して大仰にならない「嗚呼、ブリティッシュ」なHMサウンド。'89年ったら既にメタル・バブルを通り越してHR/HMシーンが飽和・拡散を始めていた時期ですが、そうした流行り廃りにまるで頓着を感じさせない、頑固なのか天然なのかよう分からんがともかくその意気や良し!な仕上がりとなっています。強いて言えばプロダクションに関しては若干の向上が図られてはいるものの、これが今聴き直すと、安普請だった前2作よりも80年代然とした本作の音作りの方がずっと古臭く感じられてしまうのですから皮肉な話。
とはいえ、収録楽曲はそうしたハンデをモノともしない強力な出来栄えを提示してくれており、特に『聖闘士星矢』主題歌〝ペガサス幻想“を彷彿とさせる②、パワフルに押し出す③、〝千夜一夜”のタイトルに相応しくエキゾチックな雰囲気を纏った⑤、IRON MAIDENからの影響を伺わせる⑦、本編フィナーレをドラマティックに盛り上げる⑩等は、聴き手がCLOVEN HOOFに求めるものをきっちり提供してくれる頼もしい名曲に仕上がっています。
バンドはこれを最後に一旦解散し、2000年代に入って再評価の声に後押しされ再結成。それも当然と思わせてくれるだけのポテンシャルが備わった(ひとまずの)最終作ですよ。



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