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TRANSCENDENCE INTO THE PERIPHERAL (1993年)
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TRANSCENDENCE INTO THE PERIPHERAL
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解説 - TRANSCENDENCE INTO THE PERIPHERAL
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コメント・評価

Recent 50 Comments



1. Usher-to-the-ETHER ★★ (2011-06-23 21:12:55)

93年発表の1st。

これは凄いですよね。
93年といえば、まだTHERGOTHONの1stすらリリースされてない時期なのに、現在フューネラルドゥームのバンドが演ってるスタイルをこの時点でほとんど完成させちゃってます。引き摺るようなスローテンポに、耳を聾するRAWなノイズリフが纏わり付いて出来た真っ黒い情景の中で、洞窟に木霊する獣の方向が如きヴォーカルが響く音は、ほぼNORTTが演ってるようなスタイルに近いと思う。

ただ、このバンドはデスメタル的な要素もまだ強いのが特徴で、デスメタル特有のドロドロしたリフをブラストに乗せて爆走したりもしてますが、そういう時でさえメロディはあくまで葬式的な陰鬱さを保っているのが素晴らしい。音質のRAWさも相俟って疾走パートもかなりかっこいい。また、4曲目では女性ヴォーカルを導入し、更に聴き手を非日常の世界へ埋没させる試みも見られますが、これも後のゴシックドゥームに繋がるような雰囲気があって興味深く聴けました。

THERGOTHONと比べると何故か語られる機会が少ない(疾走するから?)ですが、フューネラルドゥームのルーツのバンドとしてチェックする価値ありな作品です。リリース時期は昔ですが、現代のバンドと比べても劣らない陰鬱さのあるアルバム。




2. netal ★★★ (2016-09-23 23:36:30)

フューネラルドゥームの先駆け的な作品。
ヘヴィなパートは全てを泥沼に引きこむが如く凶悪さでありながら、それを一旦忘れさせる様な、時にアンビエント調にもなる神秘性が共存している事が特徴。
それらの対比がへヴィパートの圧迫感を強調し、得体の知れない圧迫感を産み出している。
この点、Evoken辺りを想起させ、暗黒性以外も孕んだフューネラルドゥーム好きには堪らない作品だろう。
耳を適度に刺激する、ジリジリとしたギターの音色も美味。

ただ、このアルバムが他と違うのは、ブラストで疾走さえする等、デスメタル要素を強く残しているところ。
それが違和感無く溶け込み、寧ろ混沌性や暗黒性を強めている所は、
四半世紀近く経ってもこのアルバムが歴史的資料に留まらない名盤であり続ける要因では…などと、個人的に思った次第である。

気に入り度…93/100

おすすめ…The Tree Of Life And Death




3. kamiko! ★★★ (2020-05-21 21:58:51)

オーストラリア産デスドゥーム1993年作
コレは確かアゴ氏のオススメでゲットしたんだったかな。
フューネラルドゥームの元祖はThergothon(フィンランド)、Paradise Lost(英国)、Disembowelment(オーストラリア)
それぞれの国でスローなデスメタル路線で登場して発展したのかなと思っている。
Paradise Lostは2nd以降はゴシック路線で発展してゴシックメタルのムーヴメントを、Thergothonの作風は北欧のカルトドゥームバンドに引き継がれ
Disembowelmentはオーストラリアで数年後にフューネラルドゥームのブームに火が点くキッカケになったんだろう、と思う。
(ボクはメタル誌を読まないしコレを購入当時に何か所かのサイトを翻訳して調べた程度の知識なので、信憑性があるかどうかわからないが)
バンド名は訳すと「腹切」「腹裂き刑」だろう。1曲目「The Tree of Life and Death」あたりの歌詞から、日本の切腹のイメージとは全く異なり
西洋の割腹して腸を巻き付ける刑、といったイメージが妥当なんだろう。そう思って聴くと、確かにそんな残酷な絵が脳裏に浮かんでくるような音だ。
5曲目「A Burial at Omans」は、(たぶん)写実主義画家のギュスターヴ・クールベ作「オルナンの埋葬」をテーマにした曲なんだろうと思う。
大袈裟な表現や浪漫主義を排除した、無表情な写実である埋葬風景を描写しているクールベの作風を、メタルサウンドで表現しているのだろう。
そういう重苦しい、現在のフューネラルドゥーム的世界観でありながら、現在のフューネラルドゥーム様式とは明らかに異なるアプローチで
同時に、当時の既存のメタルサウンド様式に則っているとは言い難く、今聴いても唯一無二の作風だから、インパクトは絶大だ。
基本的にスローなデスメタル&アンビエントではあっても、ブラストビートが予期せぬタイミングで無機質に登場する手法など、定速でビートを刻む感じではない。
伴奏とは独立した形で、情緒的に狂おしくデスヴォイスが挿入されたり、メロディとは言い難い不協和なアコギが淡々と鳴り響いたり、といった
前衛的なサウンドで、かなり異端作品だ。かなりの上級者向けで、疲れるのでボクもあまり頻繁には聴かないが、ドゥームマニアとしては必ず所持すべき古典だ。



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