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Poltergeist

日本では絶望的に人気の無い北欧はスウェーデン出身の正統派メタルバンドのフルアルバム。今まで以上にメロディに拘りを持ち練り上げキャッチーさも増量、それでありながらもNWOBHM仕込みの攻撃性と叙情味をハイブリッド、その進化したスタイルは今までの集大成のような様式と高潔なるメタルサウンドを作り上げている。

再始動の機運となったドイツで行われるメタルフェスKeep It Trueへの参加が鼓動となり、新たなる道を歩み出した古豪の復活。実力はあったが時代の波に呑まれ、バンド名や音楽性を変えた時代もあったが、それらを糧に、正当性の強いメタルサウンドで復活。
前作に感じた、先人達からの露骨なデジャブ感を抑え、より明確なスタンスで音楽性を煮詰め、自分たちの流儀を見いだした今作。

まぁ批評家オンリーの岩盤ユーザーには馬の耳に念仏ですが(今CDショップに訪れる客はアイドル系の特典目当てと、年金支給日に訪れる高齢者という現実)、そんなバイアスを受けないフレッシュな世代にこそ聴いて欲しいメロディックメタルの古典である。
ダークでヘヴィなミドルをやろうとも、北欧の風が吹く今作、その冷ややかなタッチはイーブルなサウンドの中にも爽快な風を送り、このバンドとしての新機軸を打ち出している。

歌い手も、随分と器用にこなしている。そのおかげで、ツインギターの妖艶な魅力も倍増と、胃もたれしない軽やかなドラマ性が普遍的なメタルサウンドを築き上げている。自分たちの立ち位置を見つけたバンドは強い。国内盤のリリースは絶望的だろうが、正統派メタルファンには是非ともトライして欲しい一枚だ。でもメディは信者は近づかないで欲しい。
○○にこうかいてあったとか、誰々がこう言っていたとは、目の前の音の話以外で、めんどくさいことになるだけなので、あの手合いには関わりたくない。

失恋船長 ★★★ (2024-11-10 14:41:16)


The New Messiah

2000年代初頭に再結成したようだが、結局作品を残さずに解散した幻のバンドが、再び動き出すとはリバイバルムーブメントに火がつきだしたのは
、明らかにこの時代だったろうなぁ。個人的には2006年くらいから、その動きは確実にありましたが、このバンドのようやく体制を整えたという事でしょう。NWOBHM仕込みの正統派スタイルは、RAINBOWやBLACK SABBATHなどの伝統芸能からの影響も強く、先人達の足跡を見つめ、彼ら流儀に熟成したサウンドは、王道を驀進している。

類似性を指摘したらキリがありません。そんなことに意味もありません。もし彼らがロニー・ジャイムス・ディオがいたサバスを知らないとか、リッチー・ブラックモアって誰ですか、などと寝ぼけたところ言おうモノなら袋叩きにあいますが、彼らは自らのルーツと向き合い実直に再現しています。その素直な姿勢、正攻法で迫るが故のデジャブ感は、如何ともしがたい問題点なれど、それを加点にしているのが最大の聴き所。

むしろ、その○○風を現代に蘇られ、温故知新を訪ね歩く作業がもたらしたプラス材料を評価したい。まぁ、昔の名前を引っ張り出しだしたのだから、これくらいはやって貰わないとね。
メロディアスかつストレートなハードサウンドの旨味、日本人が愛すべきスタイルが詰まっている。知名度も低いし国内盤が出るようなアーティストではないのだが、普遍的なメロディックメタルを求めるマニアには涙ものの一品だろう。
ワシは、この回転するリフが大好きなんだ。あのガスマスク女が小銃片手にサタデーナイトフィーバーするジャケが大好きなんだというマニアならば腰を上げずにはいられないでしょう。

濡れた戦慄を丁寧になぞるツインリード。要所を締める堅実なリズムプレイ。中音域を活かしたマイルドな歌声。時代を経て、復活させただけの事はある一品だ。そして、このジャケのキャラを引っ張ることになるが、なんか意味あるのだろうか?英語に意味が分からないワタクシではどうにもなりません。知らんことを検索してもね。

失恋船長 ★★★ (2024-11-09 10:17:56)


Screaming for Mercy / MASTER OF EVIL

ベタですね
ベタですが凄く良いです
ヘヴィメタルと呼ぶに相応しい勇ましさ
そして北欧らしいメロディ
甘からず辛からず丁度良い塩梅です

失恋船長 ★★★ (2023-01-23 19:52:38)


MASTER OF EVIL

初期型北欧メタルの匂いを発散するバンドによる幻のEP。なんどか再発されており、その際に大量のボーナストラックが収録とお得ですが気軽に聴けるのはデジタル盤でしょう。本編4曲+デモ5曲、CD盤はライブ音源などプラスしたフルボリュームとなっていますが、そちらは見たことがありません。

このバンドが損しているのは、1stアルバムのジャケットのかっこ悪さに尽きるのだが、音楽性は実にイイ線をいってる。北欧らしい冷ややかなメロディをスゥーティーにさせない粗さ、そのロック武骨さが音に加わりタフさを前に出している。しかし、北欧らしいメロディが全体をコントロールしているので、様式美タッチのハードスタイルとしてメロディックメタルが好きな人にはグッとくる場面も多いでしょう。とくに島国ニッポンにも通ずるような情緒、そのメロディを大切にするスタイル、RAINBOWやDP、マイケル・シェンカーと言ったバンドから影響を受けたであろう、NWOBHMを通過した硬派なメタルは実に聴き応えがある。
本編の4曲でも十分にお腹いっぱいにさせてくれる。

失恋船長 ★★★ (2023-01-23 19:49:50)


MASTER OF EVIL

83年、4曲入りデビューミニ。
デモ、発表当時&再結成後のライブを大量に交えCD化された。
83年というと、所謂「北欧メタル」というジャンルが定着する直前のこと。
正統派色も含んだあのバンド・UNIVERSEからキーボードを抜いた様な感じのメタル、つまりメロディーのしっかりした正統派HMをやってます。
彼らのこのスタイルは1st発表時点(85年)でも変わってません。
本編の4曲はいずれも出来が良く、美メロをもって疾走する「KEY OF FORTUNE」がとにかくハマる!サビのコーラスがまたヤバいんだなこれが。この曲に限ってはモロ北欧って言えますね。
デモ&ライブは音が悪くかなり危なっかしい。バンドのテーマ曲「MINDLESS SINNER」は結構良い線行ってるので新録希望。
北欧メタルの歴史を語る上で外せない名バンドだと思うんだけど知名度ゼロ。何で??
恐らくジャケのせいではなかろうか。1st同様超ウルトラ巨大ダサい!!!
これがもし幻想的な風景画とかだったら、絶対今の数倍は有名になってる。ジャケットアートって重要だよホント。
DARK ILLUSIONも当時作品残してたら、このバンド同様マニアに隠れ名バンドとして認知されてたかもね。
推薦度:★★☆

ガイアナ ★★ (2007-04-09 21:09:00)