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A

2008年発表の3曲入りシングル。
以前、メタル専門店で貰ったイベントのチラシで存在を知り、アートワークやロゴなどに
凄く繊細なセンスを感じて目を付けてたんですが、ようやく流通がライブ会場のみから
店舗販売もされるようになり、手に入れることが出来ました。
なんと言ってもヴォーカルが素晴らしいですね。
女性的な儚さも中性的な凛とした雰囲気も表現できる、繊細なエモーショナルさを湛えた歌唱。
…結構エモーショナルさを売りにしてるシンガーって、感情を込める余り声の伸びが犠牲に
されてるケースが多い気がするんですが、この人の歌唱はウィスパー気味に歌ったり、
しゃくり上げたりしても声の伸びが失われず、心地良く聴けるのが素晴らしい。
声質的に、なにか天性のものを持ってるのではないでしょうか。
路線は、ヘヴィなバンドサウンドの主眼がスピードやスキル、テクニックではなく、
曲に込められた感情を出力する事に置かれているように思える辺り、ヘヴィロック寄りと
言える音だと思います。GUARDIAN HACKER、ToRN、HEAD PHONES PRESIDENTなどに近い
音楽性ですが、個人的にはこの手のバンドの中では一番好みかも。
2007年結成という若手のバンドながら、ラジオでベテランバンドの曲と交じって流れたと
しても聴き劣りしないであろう質の高さもあると思うし、Noir誌の発刊に注目しているような
国産ゴシック・ヘヴィロックファンには是非聴いて欲しいです。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2009-08-12 22:51:00)