THE SNAKESに関わった90年代末ぐらいからか。日本のHR/HMファンの間でも「どうもノルウェー出身の凄いシンガーがいるらしい」と徐々に噂になりつつあったタイミングで、ヨルン・ランデ(Vo)がリリースした初めてのソロ・アルバム(’00年)。その門出を祝うべく、ロニー・ル・テクロ、トゥーレ・オストビー、ラルフ・サントーラ&シェーン・フレンチ等々、ヨルンがフロントマンを務めたVAGABOND、THE ARK、MILLENIUMといったバンドの面々がゲスト参戦して華を添えてくれています。 ソロ・アルバムといっても、書下ろしの新曲5曲、カヴァー5曲の全10曲からなる内容は若干変則的。ソロ・シンガーとしての表現欲求に突き動かされて作り上げたというよりは、「自分、こんな色々なタイプの楽曲が歌いこなせます!今後ともヨロシク!」ってな、HR/HMシーンに向けたプレゼン的な性格が強めに感じられる仕上がりです。 とはいえ、それが悪いなんてことは全然なく。譜面に正確なだけでは決して歌いこなせない、難易度高めの哀愁のOPナンバー①を情感豊かに歌い上げてみせる導入だけで早くもその実力派シンガーぶりを知らしめてくれる本作は、ソロ・アルバムとしてのクオリティも十分。またCITY BOYの“THE DAY THE EARTH CAUGHT FIRE”や、JOURNEYの“EDGE OF THE BLADE”、FOREIGNERの“BREAK IT UP”、JEFFEERSON STARSHIPの“JUST THE SAME”といった敢えて隠れた名曲を取り上げるセンスにもキラリと光るものがありますよ。 数あるヨルン・ランデのソロ作の中でも、上位に来る完成度を有す1枚ではないでしょうか。
ヨルン・ランデの2000年発表の1stソロアルバム。 収録されている10曲のうち、「Edge The Blade(JOURNEY)」「Break It Up(FOREIGNER)」「The Day The Earth Caught Fire(City Boy)」「Burn(DEEP PURPLE)」「Just The Same(JEFFERSON STARSHIP)」と半分がカバーなのだが、散漫な印象もなく原曲を知らない曲ばっかだったけどどれも水準を越えるかなり良い出来に仕上がっている。 もちろんオリジナルの曲もカバー曲に負けず劣らずいい曲揃い。どれも聴きやすい曲なのでヨルン・ランデを知りたい人にとってはちょうどいいアルバムだと思います。廃盤になる前に是非。