エリックマーティンの邦楽カバーアルバムも相当売れましたよね。 他人の楽曲をカバーして売る、という方法そのものは全く構わないんですが(ビートルズもストーンズもやってきたことだし)、原曲に付加解釈を加えたアレンジをすることが前提ではないでしょうか。 完全コピーだったらカラオケやスタジオ練習でやれよって話だし、それを売り物にするって考えに作曲者へのリスペクトが全く感じられない。何の意匠もなくLast Christmasをコピーしてシングルカットした某「浮浪者」など話にならない。 リスナーからすれば、原曲から逸脱しつつも新しい音楽性へ伸張させた大胆なアレンジの方が受け入れられますし、逆に言えば原曲の輪郭をなぞっただけの無難なカバーなどまるで価値がない、というのが正直なところではないでしょうか。 個人的に、原曲以上に素晴らしいと思ったバージョンを上げてみます。 The Locomotion - Grand Funk Railroad Hallelujah - Jeff Buckley Imagine - A Perfect Circle Somebody To Love - George Michael Hush - Kula Shaker No Quarter - Tool 特にAPCのイマジンは出色の出来だと思います。原曲のユートピア思想からは程遠い雰囲気の沈鬱なアレンジは時代性を見事に反映しているとともに、原曲のメロディに絡むコーラスワークも見事でした。 APCのeMOTIVeやBetween The Buried & MeのThe Anatomy Ofのような、アレンジャーの意図とリスペクトがひしひしと感じられるカバーアルバムが増えるといいのですが。