前作「VICTIM OF CHAINS」には及ばないものの、マイナーメタルとしては佳作の部類で、前作が気に入った人なら持っていても損はない。 内容についてもう少し具体的に触れると、疾走系はそこそこ調子良いけど、ミドルテンポ系で耳をひくものがあんましないです。もう少しミドルテンポ系が安定した質の高さを保っていたなら、現在のような「マニア向け」の評価で終わることもなかったハズ。墓石(GRAVESTONE)と言われて、聖飢魔Ⅱの「墓石破壊し」の珍歌詞しか浮かばないメタルファンが多くても仕方がない・・・。 本作から入った人は、本編よりむしろボーナストラックである前作収録曲のライブテイク「ROCK'N ROLL IS EASY」と「SON OF THE FREEWAY」のカッコ良さにたまげるでしょう。 ところでこの2曲、一応ライブテイクということになってますが、余りにも再現度が高すぎて妙です。スタジオ録音のものにただ歓声をくっつけただけの代物だと思うんですが。 推薦度:★☆
85年リリースの2ndアルバム。 当時ドイツにはACCEPTフォロワーとも言うべきバンドが沢山いましたが、 彼らはその中でもクオリティは高かったと思います。 べた付いたドラムの音が少し気になりますが、「I LOVE THE NIGHT」 「BACK TO ATTACK」「WON'T STOP ROCKING」 等は名曲だと思います。
「ジャーマンメタル」ほどややこしい分類もないと思うのは、私だけじゃないハズ。 昔BURRN!別冊として刊行されていた「炎」という雑誌を久々に読み返したところ、その頃まだ大学生だった(現BURRN!構成員の)奥野氏の寄稿文があり、そこで彼が同じようなことを言ってるのを見つけました。 とりあえず私の場合、普段はHELLOWEENみたいなバンドを指す時しかこの言葉は使わないことにしています。 GRAVESTONE(墓石)という名の付いたこのバンド、ドイツ出身なので一応ジャーマンメタルになるんでしょう。でも時はHELLOWEEN登場以前、ジャーマンといってもACCEPTと同じく正統派HMを志すジャーマン。 本作はACCEPTの「BALLS TO THE WALL」が出た84年に同じく発表された1st。 SAXONのビフの声をレコードの回転数上げて甲高くしたような奇妙なヴォーカルが強烈な1曲目「FLY LIKE AN EAGLE」は名曲。 同じく心地良いスピードを伴って展開していく「SON OF THE FREEWAY」「FOR A GIRL」もたまらない。 一方ミドルテンポ系はどうなのかというと、地味ながらどれも印象的なフレーズを持ち、こちらも駄曲はなし。 このバンドはギターが特に素晴らしい。ソロタイムになると待ってましたとばかりに泣きを発するプレイは、正統派HMファンの琴線に触れまくる!力強く刻むリフも良い! MATHIAS DIETHなるこのギタリストは後にU.D.O.に加入、持ち前のずば抜けたセンスで幾多の名曲を生み出しています。 最後に、奥野氏の寄稿文の話に戻りますが、彼はしっかりこのバンドの名前を出し、「好き」と言ってます。現在大学生の皆さん、こんなナイスなメタルファンにあなたもなって下さい/笑 推薦度:★★★☆